【腹部TIPS】症例84 解答編

症例84

【症例】40歳代 男性
【現病歴】10日くらい前からしこりを自覚。本日までにサイズの増大傾向にはない。
【既往歴】胃部分切除後

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しこりの場所と診断は?

右陰嚢内に造影される分葉状の腫瘤を認めています。

精巣腫瘍を疑う所見です。

ちなみにリンパ節腫大など遠隔転移を疑う所見は認めません。

 

診断:右精巣腫瘍疑い。

 

MRIが撮影されました。

右精巣腫瘤はT1WIで低信号、T2WIでやや低信号で分葉状の形態を示しています。

T2WIでは内部に低信号な隔壁構造を認めています。

腫瘤はDWIで高信号で、ADCでは一部で信号低下を認めています。

これらの所見はセミノーマ(精上皮腫)を疑う所見です。

 

泌尿器科で手術(右高位精巣摘除術)が施行されました。

病理の結果、セミノーマと診断されました。

 

最終診断:右セミノーマ(精上皮腫)

 

 

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お疲れ様でした。

今日は以上です。

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