【頸部リンパ節】症例4

【症例】30歳代 女性
【主訴】左頸部腫脹・圧痛
【現病歴】3ヶ月前から左頸部腫脹・圧痛あり。来院。
【身体所見】BT 36.1℃、左頸部リンパ節腫脹あり、硬結あり。
【データ】WBC 3400、CRP 測定なし。

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舌骨よりも頭側レベルで、胸鎖乳突筋後縁よりも腹側で内頸静脈後縁よりも後方を中心に左頸部にリンパ節腫大を複数認めています。

レベルⅡBに相当する部位です。

さらに尾側の舌骨およびその下方レベルにおいても内頸動脈内側縁よりも外側、胸鎖乳突筋後縁よりも腹側に複数のリンパ節腫大を認めています。

レベルⅢに相当する部位です。

さらに尾側の輪状軟骨およびその下方レベルにおいて内頸動脈内側縁よりも外側、胸鎖乳突筋後縁前後に複数のリンパ節腫大を認めています。

レベルⅣ、Ⅴに相当する場所です。

左頸部にレベルⅡ〜Ⅴに多発リンパ節腫大を認めていることが分かります。内部に中心壊死を疑うような低吸収域は認めていません。

 

診断:左頸部多発リンパ節腫大(レベルⅡ〜Ⅴ)

 

  • 圧痛がある
  • 3ヶ月前からの慢性的な経過がある
  • 片側性に認めている
  • レベルⅡ〜Ⅴに認めている

と言った点から考えなければならないのが結核性リンパ節炎となります。

化膿性リンパ節炎も鑑別に挙がりますが、周囲の脂肪織濃度上昇が軽度である点は化膿性リンパ節炎としては非典型的となります。

※ツベルクリン反応が強陽性であり、QTF陽性で、結核性リンパ節炎と診断されました。なお、胸部結核など頚部リンパ節炎以外には所見はありませんでした。リンパ節結核として治療されました。

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【頸部リンパ節腫大】症例4の動画解説

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