【頸部リンパ節】症例3

【症例】10歳代 女性
【主訴】右耳後部の痛み、腫れ
【現病歴】5日前から右耳後部の痛みあり、徐々に腫れてきた。昨日より目立つようになってきたため来院。
【身体所見】右耳後部の圧痛著明、発赤なし。
【データ】WBC 4500、CRP 0.17

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右後頸部に内部に低吸収域を伴うリンパ節腫大を認めています。(短径1.4cm大でした。)

周囲脂肪織濃度上昇を認めていることが左右差を見れば分かります。

舌骨よりも頭側レベルで内頸静脈後縁よりも背側、胸鎖乳突筋よりは腹側に存在し、レベルⅡBに相当する場所です。

腫大リンパ節よりやや尾側レベルではレベルⅡB(上内深頸リンパ節)に右優位で複数のリンパ節を認めていることがわかります。(thin sliceがあればよりわかりやすかったのですが。)

冠状断像で見ると、腫大リンパ節およびレベルⅡBからレベルⅢにかけての小リンパ節の様子がよく分かります。

 

診断:頸部リンパ節腫大(右レベルⅡB)

 

※今回のリンパ節の特徴は

  • 単発である
  • 内部に低吸収域(中心壊死)を認める
  • 周囲に脂肪織農道上昇がある
  • 急性発症である
  • 圧痛がある
  •  (ただし、炎症反応は上がっていない・・・。)

といったものがあります。

これらから最も考えられるのは化膿性リンパ節炎となります。

※耳鼻科にて穿刺にて排膿を認めました。培養にて黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)が検出されました。(結核は陰性でした。)抗生剤投与で軽減したため、退院となっています。

最終診断:化膿性リンパ節炎(右レベルⅡB)

 

関連:

【頸部リンパ節腫大】症例3の動画解説


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