【顔面+α】症例31

【症例】70歳代 女性
【主訴】汚い痰が出る。
【現病歴】近医でとある疾患の指摘を受けている。

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右上顎洞に全周性の粘膜肥厚を認めています。

右上顎洞炎を疑う所見です。

よく見ると、上顎洞の骨が左側に比べて肥厚していることがわかります。

これは、炎症が慢性的に存在すること、つまり慢性副鼻腔炎を示唆する所見です。

また冠状断像でも同様の所見を認めていますが、上顎洞と鼻腔を交通する自然口が左では開存しているのに対して、右側では粘膜肥厚により閉塞していることがわかります。

副所見ですが、右上顎洞には左側には認めない過剰腔を認めています。眼窩下蜂巣と言われる正常変異です。

 

診断:慢性副鼻腔炎(右上顎洞)

 

※内視鏡上、右後鼻漏あり。耳鼻咽喉科入院の上、手術(内視鏡下副鼻腔手術(Endoscopic Sinus Surgery:ESS))となりました。

関連:慢性副鼻腔炎の画像診断

【顔面+α】症例31の動画解説

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