【顔面+α】症例23

【症例】70歳代 女性
【主訴】頚部腫脹
【現病歴】3日前くらいから顎が腫れてきた、口の中から膿が出る。
【既往歴】シェーグレン症候群でサリベート他院で処方されている。
【身体所見】口腔底腫脹・排膿あり。右顎下腺腫大あり。やや硬い。
【データ】WBC 14200、CRP 9.49

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右顎下腺の腫脹および周囲脂肪織濃度上昇を認めてます。

右顎下腺炎を疑う所見です。

顎下腺は通常、はっきりとした構造として同定できるのですが、この方は、左右とも顎下腺の構造がはっきりしません。

炎症所見のない左顎下腺を見てみましょう。

どこからどこまでが顎下腺と境界がはっきりせず、内部が高吸収と低吸収の混在を認めています。

これはSjögren症候群で認める所見で、salt and pepper appearanceと呼ばれます。

顎下腺だけでなく、両側耳下腺にも内部が高吸収と低吸収の混在を認めています。

こちらもSjögren症候群で認める所見で、salt and pepper appearanceと呼ばれます。

 

診断:(Sjögren症候群を背景に生じた)右顎下腺炎

 

※耳鼻科入院となり、顎下腺摘出が行われました。

病理ですが、

病理診断:慢性リンパ上皮性唾液腺炎(Chronic lymphoepithelial sialoadenitis,severe,of the right submandibular gland.excision.)

病理所見:腺房の対部分は消失し、リンパ球を主とし、好中球、組織球が混じる著明な細胞浸潤を示している。導管内にもリンパ球が浸潤しLEL(lympho-epithelial lesion)が形成されている。また、血管にも好中球、リンパ球が浸潤し、angitisの像が見られる。Sjögren症候群として矛盾なし

 

とことです。

関連:Sjögren症候群(シェーグレン症候群)の耳下腺の画像所見

【顔面+α】症例23の動画解説

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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