【顔面+α】症例22

【症例】20歳代 女性
【主訴】咽頭痛、右頸部腫脹
【現病歴】2日前飲酒後咽頭痛あり。頚部腫脹あり、本日耳鼻科受診。
【身体所見】右下顎圧痛あり。
【データ】WBC 7500、CRP 0.60

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右顎下腺の腫大及び周囲脂肪織濃度上昇を認めています。

右顎下腺炎を疑う所見です。

下顎骨の正中やや右側背側に石灰化を認めています。Wharton管に存在する唾石を疑う所見です。

この唾石が原因で右顎下腺炎が起こっている事が推測されます。

顎下腺の腫大及び脂肪織濃度上昇はこのレベルでも分かります。

脂肪織濃度上昇は下極レベルでよく分かりますね。

冠状断像においても左右差が明瞭です。

 

診断:唾石による右顎下腺炎

 

※唾石に伴う右顎下腺炎と診断され、抗生剤治療で外来フォローとなり、10日後に入院の上、唾石摘出術が施行されました。

唾石

  • 唾液腺内に、細菌などの異物を核として同心円状にCaが沈着して形成される石灰化物。
  • 唾石の85%は顎下腺に生じる。顎下腺唾石症の85%はワルトン管(Wharton’s duct)に起こる。次いで腺管移行部に多い。
  • 顎下腺炎の原因で最多。※顎下腺は粘液腺が主体。

参考症例を2つ見てみましょう。

参考症例1 40歳代女性

腺管移行部に粗大な唾石を認めています。

参考症例2 50歳代男性

Wharton管に鋳型状に唾石を認めています。

いずれの症例も唾石摘出術が施行されました。

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【顔面+α】症例22の動画解説


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