Sjögren症候群(シェーグレン症候群)
- 涙腺、唾液腺の分泌障害を特徴とする自己免疫疾患。
- 乾性角膜結膜炎と口内乾燥症を主症状とする。
- 40~50歳代の発症が多い患者の約90%は女性。
- 73.4%の患者で抗SS-A/Ro抗体、18.7%の患者で抗SS-B/La抗体が陽性となる。
- MALTリンパ腫の合併に注意。
シェーグレン症候群の画像所見
- 画像がシェーグレン症候群を疑うきっかけとなることがある。
- CTでは慢性期には点状石灰化を示す。
- 耳下腺腺房細胞の破壊を反映し、MR Sialographyでびまん性小斑点陰影が散在。
- 慢性炎症による脂肪変性を反映してT1,T2強調像において耳下腺組織は高信号。
- 唾液腺は初期にはびまん性の腫大、進行するにつれて腺房細胞の破壊と脂肪置換に伴ったsalt and pepper appearanceを呈する。慢性期には萎縮し、多発性の点状石灰化が認められる。
症例60歳代女性
左優位に両側耳下腺に多発微小嚢胞性病変を認めており、シェーグレン症候群を疑う所見です。
Sjogren症候群の全身性腺外病変
- 中枢神経(白質病変、脊髄症)
- 甲状腺(慢性甲状腺炎)
- 呼吸器(間質性肺炎、気道病変)
- 肝胆道(原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎)
- 腎(尿細管性アシドーシスに伴う腎石灰化症)
- 筋骨格(関節炎)
- 悪性リンパ腫の合併:唾液腺、涙腺のみならずリンパ節や腺外臓器にも前縦隔など高率に合併(健常人の16-44倍)。MALTリンパ腫が有名だが、他の組織型のリスクも高い。