【腹部TIPS】症例64 解答編

症例64

【症例】70歳代 男性

スクリーニング。

膵腫瘤を指摘されたがこれは何?

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CT

MRCP

まずはCTを見てみましょう。

膵鉤部や頭部に嚢胞性病変を疑う低吸収域を認めています。

特に膵鉤部では多房性嚢胞のように見えます。

これをMRIで確認しましょう。

水が明瞭になるT2WIで嚢胞の様子がよく分かります。

主膵管と連続する多房性嚢胞性病変を膵鉤部に認めています。

膵頭部にも主膵管の連続性のある多房性嚢胞性病変を認めています。

MIP像では、2カ所の嚢胞と主膵管の位置関係の全体像がよく分かります。

このような主膵管と連続した嚢胞性病変を見たときに考えなければならないのが、

IPMN (intraductal papillary mucinous neoplasm)

ですね。

日本語で言うと、膵管内乳頭粘液性腫瘍です。

IPMNは3つに分類されます。

今回は主膵管の拡張所見は認めておりませんので、分枝型に相当します。

嚢胞内に壁在結節など充実部位は認めておりません。

嚢胞のサイズは大きなものでサイズは1.7cm大ですので、ガイドライン上は、CT/MRIで年1回を2年間フォローとなります。

 

診断:分枝型IPMN

 

関連:IPMNの画像診断のポイントは?ガイドラインは?手術適応は?

 

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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