先に結論:肋間筋の解剖

  • 肋間筋は外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋の3層からなり、呼吸運動を助ける筋肉です
  • 読み方は「ろっかんきん」で、肋骨と肋骨の間にあります。外肋間筋は吸気、内肋間筋は強い呼気を主に助けます
  • 肋間動静脈・神経は内肋間筋と最内肋間筋の間を、肋骨の下縁に沿って走ります
  • CTでは3層を区別するのは難しく、胸腔穿刺やドレーン挿入は下位肋骨の上縁寄りで行うのが原則とされてきました。ただし肋間動静脈・神経の位置には個人差があり、肋骨下縁の溝から外れて走行することや下位肋骨上縁に沿う側副枝もあるため、肋間の50〜70%の高さが安全域とする解剖研究もあります。

肋間筋(ろっかんきん:intercostal muscles)は、肋骨の間に位置し、呼吸運動において重要な役割を果たす筋肉群です。

肋間筋は外肋間筋、内肋間筋、最内肋間筋の3層に分かれ、吸気と呼気を補助する呼吸筋として機能します。

  • 外肋間筋:肋骨間の外側で最も外層に位置し、筋線維が斜め下方に走行する。
  • 内肋間筋:外肋間筋の深層にあり、斜め上方に向かう線維を持つ。
  • 最内肋間筋:内肋間筋のさらに深層で、胸膜に接する位置に薄く存在する。

という解剖学的な違いがあります。

外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋の読み方と違い

名称(読み方) 英語 位置 線維の向き 主な働き
外肋間筋(がいろっかんきん) external intercostal muscles いちばん外側 後ろ上から前下へ 息を吸うのを助ける
内肋間筋(ないろっかんきん) internal intercostal muscles 外肋間筋の内側 外肋間筋とほぼ直交 強く息を吐くのを助ける
最内肋間筋(さいないろっかんきん) innermost intercostal muscles いちばん内側(胸膜側) 内肋間筋とほぼ同じ向き 内肋間筋を補助

※「助間筋」「外助間筋」と書かれることがありますが、正しくは「肋間筋」(肋=あばら骨)です。

肋間筋はどこにある?

肋間筋は、上下の肋骨のすき間(肋間)を埋めるように、背中側から胸の前まで張っています。
支配神経は肋間神経で、肋間動静脈・神経は肋骨下縁の溝に沿って上から静脈・動脈・神経の順に走ります。

ただし、肋間筋(外肋間筋・内肋間筋・最内肋間筋)は薄い筋肉層であり、CT画像でそれぞれを明確に分けて観察するのは非常に難しいです。特に最内肋間筋は、内肋間筋のさらに内側に存在しますが、胸膜に接しており、血管や神経との関連でのみ間接的に推測できます。

ですので、今回はこれらの肋間筋をまとめて(3層を区別せず)CT画像でどのように見えるのかを確認したいと思います。

肋間筋のCT、MRI画像の解剖

胸部のCTやMRI画像を読む上で肋間筋がどの場所にあるのか解剖をチェックしましょう。

解剖がよく理解できるように胸部(縦隔条件)の実際のCT画像の肋間筋に色を付けてみました。

CTの横断像では以下の場所に肋間筋があります。

肋間筋は、肋骨間に存在し、肋骨を取り囲む形で観察され、胸壁外側~内側まで、薄い軟部組織として肋骨の間隙に沿って分布します。造影CTで肋間動脈の位置を調べた検討では、背側から腋窩にかけての133か所のうち114か所で、動脈が肋骨に隠れず肋間に露出していました。出血リスクの高い患者では、胸腔穿刺の前に超音波(カラードプラ)で肋間動脈を確認することが勧められています。

自分でCT画像をスクロールしてコロコロ連続画像で見たい方はこちら→肋間筋(intercostal muscles)のCT画像の解剖

実際の画像で確かめるには、画像診断cafeの胸部CTの正常解剖ツールで、スライスを動かしながら構造をタップすると名前が表示されます(無料・登録不要)。全体の見方は胸部CTの縦隔の解剖にまとめています。

参考文献

  1. Wraight WM, Tweedie DJ, Parkin IG. Neurovascular anatomy and variation in the fourth, fifth, and sixth intercostal spaces in the mid-axillary line: a cadaveric study in respect of chest drain insertion. Clin Anat. 2005;18(5):346-9. PubMed
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  3. Salamonsen M, Dobeli K, McGrath D, et al. Physician-performed ultrasound can accurately screen for a vulnerable intercostal artery prior to chest drainage procedures. Respirology. 2013;18(6):942-7. PubMed
  4. Marchi G, Cinquini S, Tannura F, et al. Intercostal Artery Screening with Color Doppler Thoracic Ultrasound in Pleural Procedures: A Potential Yet Underexplored Imaging Modality for Minimizing Iatrogenic Bleeding Risk in Interventional Pulmonology. J Clin Med. 2025;14(17):6326. PubMed

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