一酸化炭素中毒(carbon monoxide poisoning)とは?

  • 一酸化炭素はヘモグロビンと結合して(酸素とヘモグロビンの親和性の約200倍)、酸素運動能力を低下させ、鉄の多い脳組織(淡蒼球や黒質網様部など)や、鉄を含めヘムタンパク質との結合に伴う低酸素脳症による、組織障害を引き起こす。また、脳の脂質過酸化による遅発性脳障害(MBP(myelin basic protein)の障害、脱髄)を引き起こす。
  • 一酸化炭素は炭素の不完全燃焼によって生じる。そのため、ガス器具(ストーブ)の不完全燃焼、自動車の排気ガス、火事、練炭自殺などが原因として多い。
  • 一酸化炭素による中枢神経障害には急性傷害と遅発性障害(間欠型)がある。
  • 急性期には、頭痛、嘔気嘔吐、痙攣、めまいなどの症状がみられ、重症例では意識障害や死に至る。血中のCOHbの濃度が高いと症状が強い。中枢神経症状以外にも、代謝性アシドーシスや肺水腫、心不全を来す。
  • 病理では淡蒼球、黒質網様部の壊死が特徴的。低酸素性虚血性脳症により、大脳皮質、海馬、小脳プルキンエ細胞にも壊死を生じる。

一酸化炭素中毒のMRI画像所見

  • 画像所見は急性期を慢性期で変化するのがポイント。
  • 急性期には、両側淡蒼球の壊死を反映したT2WIでの高信号および腫脹が特徴。細胞毒性浮腫を反映してDWIで高信号、ADC低値となる。
  • 壊死性病変内部に出血を伴うこともある。
  • 淡蒼球以外に、被殻、尾状、視床、海馬、大脳皮質、小脳にも高信号を認めることがある。
  • 慢性期には淡蒼球は空洞状病変となる。
  • 遅発性神経障害では、大脳白質病変として脳室周囲白質や半卵円中心に対称性あるいは非対称性にT2WI高信号として認める。

症例 30歳代男性 密閉された環境で加熱ガスにさらされた後、昏睡状態に陥った。

両側淡蒼球にT2WI,DWI高信号あり、ADC低値を認めています。

T2WI,DWI高信号は大脳白質にも広範に認めており、ADC低値を認めています。

一酸化炭素中毒と診断されました。

引用:radiopedia

両側淡蒼球の異常所見の鑑別診断

参考文献:

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