大脳鎌の生理的石灰化、骨化(falx ossification)
- 硬膜(大脳鎌、小脳テント)にはかなりの頻度で骨化が起こる。
- 高齢者人口の約10%で見られる。
- 大部分が生理的石灰化であるが、腫瘤状の場合、経時的に増大する場合は髄膜腫の可能性も考慮。
- 生理的石灰化、骨化の場合は、その骨髄が脂肪によりT1WIで高信号を示す。
- 髄膜腫の場合はdural tail signを呈したり、造影MRIで造影効果を認める。
症例 70歳代女性
大脳鎌に石灰化を認め、T2*WIでは合致して無信号を示しています。
一部T1WIで高信号、T2WIやや高信号で骨髄の存在を示唆する所見です。
※石灰化成分は金属や骨と同様に磁化率の差が大きいため、T2*WI(T2スター強調像)では局所的に信号が完全に消失(信号欠損)します。
症例 70歳代女性
CTで大脳鎌に沿って石灰化を認めています。
MRIでは、T2WIでは辺縁が低信号で内部が高信号を示し、T1WIでは高信号を示しており、内部に骨髄が存在していることを示唆し、生理的石灰化であることがわかります。
参考文献:
- 画像診断 Vol.38 No.4増刊号 2018 P62
- 画像診断 Vol.41 No.11増刊号 2021 P60
- すぐに役立つ頭部CT診断マニュアル P39
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