高アンモニア血症による脳症
- 肝臓での代謝能力を超える血中アンモニア上昇により、アンモニアによる浸透圧調整異常が起こり、星状膠細胞内のグルタミン濃度が上昇し、星状膠細胞内の浮腫、膨化が起こり、脳浮腫や脳症が起こると考えられている。
- びまん性脳浮腫により嘔吐、痙攣、傾眠、低緊張などの脳圧亢進症状を来す。
- 原因としては、急性肝障害、薬物中毒(バルプロ酸、アセトアミノフェン)、骨髄移植、非経口栄養下など。
高アンモニア血症による脳症の画像所見
- 急性期の高アンモニア血症では、大脳皮質(特に帯状回、島回)に腫脹とT2WI・DWI高信号を認める。
- 一次運動野や後頭葉は保たれる傾向にある。
- 慢性の高アンモニア血症では、中心前回や内包後脚などの大脳白質や中小脳脚などにT2WI高信号を認める。
症例 60歳代男性 混乱と意識状態の低下を呈するアルコール依存症患者。
引用:radiopedia
島回や帯状回を中心にびまん性に大脳皮質にDWI高信号、ADC信号低下あり。急性期の高アンモニア血症を疑う所見です。
大脳基底核T1WI高信号あり。肝性脳症によるMn沈着を反映していると考えられます。
参考文献:頭部 画像診断の勘ドコロNEO P247-8