先に結論:三角骨・三角骨障害とは

  • 三角骨(os trigonum)は、足首の距骨の後ろ側にある小さな余分な骨(副骨)で、成長の途中で距骨とくっつかずに残ったものです。一般の人の約1割前後にあり、多くは無症状で病気ではありません
  • 三角骨障害は、つま先立ち・足首を強く伸ばす(底屈)動きをくり返すことで、三角骨が脛骨と踵骨の間にはさまれて足首の後ろが痛む状態です。サッカー・バレエなどで多く、近くの長母趾屈筋腱の炎症を伴うこともあります(足関節後方インピンジメント症候群)
  • レントゲン・CTで三角骨の有無がわかり、MRI(STIR)で三角骨やその周りの骨髄浮腫が見えると痛みの原因と考えます。治療は安静・注射などで、改善しなければ三角骨の摘出(内視鏡手術など)を行います

三角骨(os trigonum)

  • 足の副骨(過剰骨とも呼ばれる)の代表で、メタ解析では足の9.0%(Preinl 2025)、10.3%(Ráfare 2024)にみられる。検査法で頻度は変わり、X線8.2%に対しMRI 24.2%、CT 21.0%と断面画像で多く見つかる。両側にあるのは32.7%(Preinl 2025)。
  • 副骨は、骨化の中心が本来の骨と癒合せずに分離したまま骨化したもの。
  • 足の副骨には三角骨以外に、外脛骨、os peroneum、os intermetatarseumがある。
  • 距骨後突起の外側結節の癒合不全によって発生する。

症例 20歳代女性

転倒による脛骨天蓋骨折(pilon骨折)の精査のCTに偶発的に三角骨を認めています。

三角骨障害(disorder of os trigonum)とは?

  • 三角骨が脛骨と踵骨に挟まれ、距骨と衝突することにより痛みを認めることがあり、三角骨障害という。
  • さらに、近くを走行する長母趾屈筋腱を挟み、障害を起こすこともあり、後方インピンジメント症候群と呼ばれる。
  • 足関節の底屈時に足関節後方に痛みと腫脹を認める。後方インピンジメント症候群を合併している場合は母趾の屈曲制限を認める。
  • 診断にはMRIにおけるSTIRが有用で、三角骨に骨髄浮腫を示唆する高信号を認める。単純X線では足関節最大底屈位の側面像で、三角骨が脛骨後縁と踵骨の間に挟まれる様子を確認できる。また三角骨がなくても、MRIで距骨後方の瘢痕組織が同様の症状の原因として見つかることがある。

 

参考文献:足関節・足部のMRI P140-145

関連記事:

  1. 腓骨遠位の下端に認められる副骨である腓骨下骨(os subfibulare)の画像診断のポイント
  2. 脛骨遠位の下端に認められる副骨である脛下骨(os subtibiale)の画像診断のポイント
  3. Karasick D, Schweitzer ME. The os trigonum syndrome: imaging features. AJR Am J Roentgenol. 1996;166(1):125-129. PubMed
  4. Nault ML, Kocher MS, Micheli LJ. Os trigonum syndrome. J Am Acad Orthop Surg. 2014;22(9):545-553. PubMed
  5. Preinl M, Osiowski A, Stolarz K, et al. Prevalence and clinical aspects of os trigonum: a meta-analysis. Anat Sci Int. 2025;100(3):287-297. PubMed
  6. Ráfare AL, Rodriguez BC, de Souza Ribeiro BF, et al. Os trigonum: a discussion of its role in posterior ankle impingement syndrome and a meta-analysis of its prevalence. Surg Radiol Anat. 2024;46(7):1137-1143. PubMed

画像診断を無料で学べるコンテンツ

腹部画像診断を症例で学ぶ
無料講座

腹部画像診断を症例で学ぶ

4日に1回、朝6時に症例が届き、実際に画像をスクロールして読影する講座です。90症例以上・1年以上続く講座で、医師・医学生・放射線技師・看護師など10,000名以上が参加中です。

講座に参加する(無料) →
胸部レントゲンの正常解剖を31日で
無料講座

胸部レントゲンの正常解剖を31日で

1日3分、全31日で胸部レントゲンの正常解剖の基礎を学ぶ参加型の講座です。全日程に簡単な動画解説が付いています。

講座に参加する(無料) →
画像診断LINE公式アカウント
登録特典あり

画像診断LINE公式アカウント

新しい企画やモニター募集のお知らせを配信しています。登録すると特典として、脳の血管支配域のミニ講座に無料で参加できます。

LINEで友だち追加 →