脛骨天蓋骨折(pilon骨折)1)-3)
- 脛骨の長軸方向から足関節に向かう強い軸圧がかかることで発症する。
- 関節面に軸圧がかかることによって生じた関節内骨折であり、整復や内固定が困難。
- 脛骨天蓋骨折のほか、pilon骨折(ピロン骨折)、plafond骨折(プラフォン骨折)と呼ばれることがある。
- 脛骨骨折の7%を占める。
- 若年者は高所転落や車の正面衝突などの高エネルギー外傷で起こることが多いが、高齢者は転倒や軽微な転落によっても関節面の粉砕を伴うことがある。
- pilonはフランス語で「すりこぎ棒」という意味。脛骨関節面(すりこぎ棒)が距骨(すり鉢)に強く当たってすりこぎ棒が折れるという語源。その結果、脛骨が関節面から骨折をするが、腓骨骨折も合併することが多い。
- Rüedi分類(リュエデイ)がよく用いられる。
脛骨天蓋骨折(pilon骨折)と足関節果部骨折の違い2)
足関節を天蓋(テント)に見立てて、天蓋(テント)そのものの破損が脛骨天蓋骨折(pilon骨折)であり、それを支える支柱の破損が果部骨折(外果・後果・内果骨折)と考えると理解しやすい。
Rüedi分類
- TypeⅠ:転位のほとんどない亀裂骨折
- TypeⅡ:比較的大きい骨片で関節面の粉砕はないが、明らかな転位を認める骨折
- TypeⅢ:天蓋部の粉砕や圧迫骨折
- TypeⅡ、Ⅲは基本的に手術となる。
参考文献:
- 臨整外 56巻5号 2021年5月 P573-575
- 骨折ハンター P274-276
- レジデントノート Vol.21 No.17(増刊)2020 P187-189