アルコール関連脳病変のまとめ
- エタノールの一次性(直接性)障害:神経毒性(大脳皮質/小脳変性、末梢神経障害)
- まれな二次性可逆性合併症:Wernicke脳症
- その他、多くの間接的影響(外傷,低栄養など)
アルコール関連脳病変
- エタノール:小脳虫部上部に強い萎縮、びまん性萎縮。
- メタノール:両側被殻の出血性壊死
- Wernicke脳症:乳頭体の高信号、±造影効果
慢性エタノール中毒
- 側脳室の対称性拡大
- 脳溝開大、大脳縦裂/Sylvius裂の開大
- 摂取量に依存する。
- 白質病変(T2強調像,FLAIRで高信号):両側側脳室周囲、脳梁:孤立性/融合性、Marchiafava-Bignami病:脳梁中部の壊死はほぼ特異的。
メタノール中毒
- メタノール→ホルムアルデヒド→ギ酸→炭酸ガス、水と分解される。ギ酸がanion gap アシドーシスを惹起。
- 被殻、視神経に選択的毒性。
- メタノールを含む製品:不凍液、ペンキ除去剤、コピー液
- 両側被殻の出血性壊死。
- 白質病変:出血性皮質下壊死、しばしば視神経も障害。
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Wernicke脳症
- T1強調像:乳頭体の造影効果
- T2強調像:第3脳室周囲、視床内側、中脳水道周囲灰白質の高信号。
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参考)画像診断ポケットガイド 脳Top100診断