腹部救急画像診断 症例31

症例31

【症例】40歳代男性
【主訴】右の鼠径部の腫脹、疼痛、嘔吐
【データ】WBC 15100、CRP 0.08

画像はこちら

下腹部に局所的な小腸の拡張像を認めています。

腸間膜の浮腫を認めており、小腸には内部に糞便状の構造(プツプツとair)を認めています。

これをsmall bowel feces signといい、閉塞機転を示唆する所見です。つまりこの先に閉塞機転があるというヒントになるサインです。

(今回は小腸イレウスの範囲が狭いですが、広範なイレウスの場合は、このサインがヒントになるので覚えておいてください。)

右鼠径-陰嚢内に腸間膜および腸管の逸脱を認めており、浮腫性変化を伴っています。

右鼠径ヘルニアの嵌頓が疑われます。

S状結腸などと比べると拡張した腸管の造影効果が不良で、嵌頓により腸管虚血に陥っていることが予測され、嵌頓の解除が必要となります。

また、嵌頓したヘルニア部分には腸管外に液貯留を認めています。
これはヘルニア水と呼ばれ、早期の絞扼を示唆する所見と言われます。

 

緊急手術となり、解除されました。腸管壊死には至っておらず、腸切除にはなりませんでした。

さて、鼠径ヘルニアといえば、

  • 内鼠径ヘルニア
  • 外鼠径ヘルニア

があります。

症例8の解説にも記載したように、

  • 下腹壁静脈の内側から出ている→内(直接)鼠径ヘルニア
  • 下腹壁静脈の外側から出ている→外(間接)鼠径ヘルニア

というのが鑑別のポイントでした。

今回は下腹壁動静脈の外側にヘルニア門を認めておりますので、外鼠径ヘルニアと診断することができます。

診断:右外鼠径ヘルニア嵌頓

※嵌頓の解除が必要であり、外科コンサルトとなります。

症例31の解説動画

下腹壁動静脈の解剖について

外ヘルニアの復習+α

関連:

その他所見:

  • 腎嚢胞あり。
  • 肝に2カ所淡いLDAあり。嚢胞や血管腫か。
  • 少量腹水あり。
  • 右陰のう水腫あり。
お疲れ様でした。

今日は以上です。

今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。

過去のコメント
  1. 鼠径ヘルニアが内・外かで迷うことはあまりありませんが、腸管壁の造影効果がある?ない?で悩むことがあります。
    Dual energyでiodine mapを作るとよく分かって有用との報告があり、いいな〜と思います(当施設にはありません)。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >腸管壁の造影効果がある?ない?で悩むことがあります。

      これは非常に難しいと思います。周りの腸管と比較するしかないですね。
      あとは単純があればそれと比較。
      今回は腸管虚血、壊死に陥っていてもおかしくないと判断しましたが、実際手術では嵌頓を解除すると血流は回復したとのことです。嵌頓からそれほど時間が経過していなかったのでしょうね。

  2. 延長戦、ありがとうございます。
    陰のう内に脱腸しているのではないのですねぇ。センス無いのでひたすら画像をみて叩き込むしかないですね。
    今回のような企画がなければ、向き合うことの無かった課題ですのでいい機会になりました。
    日常診療でCTを診ている諸先生方には当たり前のことがわかっていない自分が恐ろしいです(笑)←笑い事ではありませんが・・・。
    今回から一日一題ということですので、しっかり過去の復習をしながら回答していきたいと思います。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >陰のう内に脱腸しているのではないのですねぇ

      いえ、脱腸しています。鼠径部としか書いていないので勘違いしますかね。追記しました。

      >今回のような企画がなければ、向き合うことの無かった課題ですのでいい機会になりました。
      >今回から一日一題ということですので、しっかり過去の復習をしながら回答していきたいと思います。

      良いきっかけになれば幸いです。よろしくお願いします。

  3. 追加問題ありがとうございます。(アンケートに答えて良かったです。この道場がどうすれば良くなるか、真剣に考えながら問題に取り組ませてもらいます。)

    この症例の外鼠径ヘルニアは、少し特殊な鼠径ヘルニアのように感じました。通常よく見かける所見は、腹腔内の拡張した小腸は単純イレウスの形を呈しますが、今回の症例では絞扼性イレウスを呈しているように見えます。実際、2カ所の小腸が同時に鼠径部に入りこんだイレウスだったのでしょうか?

    1. アウトプットありがとうございます。

      >この症例の外鼠径ヘルニアは、少し特殊な鼠径ヘルニアのように感じました。通常よく見かける所見は、腹腔内の拡張した小腸は単純イレウスの形を呈しますが、今回の症例では絞扼性イレウスを呈しているように見えます。実際、2カ所の小腸が同時に鼠径部に入りこんだイレウスだったのでしょうか?

      おっしゃるようにやや特殊でしょうね。
      この症例では腸間膜の浮腫性変化も認めていますし、絞扼性イレウスと診断して良いと思います。
      2カ所の小腸が同時にかは手術所見には記載がありませんでした。

  4. 学生では画像に触れる機会があまり多くないので、この企画を続けてくださるということに感謝でいっぱいです。

    大腿動静脈を下腹壁動静脈をと勘違いして、外鼠径ヘルニアと内鼠径ヘルニアを間違ってしまいました。
    またヘルニア内の腸管が造影不良か、そうでないかで凄く悩みました。こちらも結局は、造影はされているので絞扼性ではないとしてしまいました。短絡的に造影効果があるから絞扼性でないとしないように気をつけます。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >ヘルニア内の腸管が造影不良か、そうでないかで凄く悩みました。

      悩ましいですね。あまり差がない場合は正直微妙なことも多々あります。

  5. 企画続けていただきありがとうございます!毎日の楽しみが増えました。

    鼠経ヘルニアに気を取られ、small bowel feces signまで気づけなかったです…

    1. アウトプットありがとうございます。

      >毎日の楽しみが増えました。

      ふ、不定期ですので、よろしくお願いします(;゚ロ゚)

      >small bowel feces signまで気づけなかったです…

      閉塞機転の口側を示唆する重要な所見ですので覚えておいてください。

  6. 救急画像診断道場の続きに参加させていただき大変光栄に感じています。
    今回の症例に関して、内外の鼠径ヘルニアを鑑別する、下腹壁静脈の同定が難しかったです。
    また、小腸ループの腸管が認められ、腸管嚢状気腫と指摘し、腸間膜静脈は拡張していた為、絞扼性腸閉塞疑いに目が奪われてしまい、下腹壁静脈が自分の中で同定しずらくしていました。
    画像を提供する側として、診断する医師にとっては、どのような画像が同定しやすいか、診断する側の立場を少しでも理解できる機会を与えていただける事に大変感謝しています。
    やはり、何事も相手の立場になって物事を考える事は重要だと感じています。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >下腹壁静脈の同定が難しかったです。

      ですね。かなり屈曲していますし、一瞬どこ?と思ってしまいます。

      >やはり、何事も相手の立場になって物事を考える事は重要だと感じています。

      ありがとうございます。私も再度意識します!

    2. アウトプットありがとうございます。

      >下腹壁静脈が自分の中で同定しずらくしていました。

      そうですね。今回の症例ではかなりヘルニアにより下腹壁動静脈が変形しているのでわかりにくかったかもしれません。

  7. わかりづらかった、難しかった症例の復習ありがとうございます。
    症例8の解説を確認しつつ回答したのですが、(何人かの方と同じく)下腹壁動静脈の解剖で躓いてしまいました。
    典型的な走行など解剖を見直します。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >下腹壁動静脈の解剖で躓いてしまいました。

      解説しました。

  8. 延長戦に参加させていただき、ありがとうございます。
    今回の症例も勉強になりました。
    救急当直をする身からすると、この画像がいますぐ外科コンサルトが必要な症例かどうかを一番考えて読影しました。
    内鼠径か外鼠径かも今後はしっかりと読影したいと思います。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >救急当直をする身からすると、この画像がいますぐ外科コンサルトが必要な症例かどうかを一番考えて読影しました。

      おっしゃるとおりで、内か外かはどうでもいいとは言い過ぎですが、それよりも遙かに重要なのは手術や嵌頓解除が必要かどうかということですね!!

  9. 下腹壁動静脈の解説とても分かりやすかったです。small bowel faces signというものを初めて知りました。腸管の浮腫像や閉塞機転は何となく分かったのですが、小腸の造影不良等は気づきませんでした。
    今回もたくさん学ばせていただき、ありがとうございます。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >腸管の浮腫像や閉塞機転は何となく分かったのですが、小腸の造影不良等は気づきませんでした。

      嵌頓していてやばい(急がないといけない)と言うことに気づければOKデス!

  10. ・外腸骨動静脈のことを下腹壁動静脈と考え、内鼠径ヘルニアとしてしまいました。下腹壁動静脈の走行、よくわかりました。結構細い動静脈なんですね。分岐した後昇っていくというのも理解できていませんでした。
    ・陰嚢内の水のようなものは、陰嚢水腫だったんですね。脱出した腸管が穿孔しているのかと考えていました。この水腫は、炎症によるもの?ということでしょうか。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >下腹壁動静脈の走行、よくわかりました。結構細い動静脈なんですね。分岐した後昇っていくというのも理解できていませんでした。

      下腹壁なので、腹壁を走っています。

      >・陰嚢内の水のようなものは、陰嚢水腫だったんですね。脱出した腸管が穿孔しているのかと考えていました。この水腫は、炎症によるもの?ということでしょうか。

      腸間膜に浮腫が起これば腹水を生じると言われています。
      水腫はそのためと考えられます。

  11. イレウス、ヘルニア、虚血と所見は拾えていましたが、もっとちゃんと状態が伝わるように記載できるようにしたいです。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >イレウス、ヘルニア、虚血と所見は拾えていましたが、もっとちゃんと状態が伝わるように記載できるようにしたいです。

      まずはそれで外科コンサルトできれば大丈夫です。

  12. ヘルニア嚢内も造影効果は保たれていると読んでしまいました、正常部位との比較を心がけます
    下腹壁動静脈を正しく把握できず内鼠径ヘルニアと判断してしまいました。解説動画ではそのあたりの解剖の解説が非常にわかりやすく、また大腿ヘルニアとの違いも腑に落ちました。

    1. アウトプットありがとうございます。

      造影効果の有無については判断が難しいことがしばしばありますが、正常部位との比較、腸間膜の浮腫、ヘルニア水の有無などを参考にしてください。

  13. 続きの問題をさせていただけて嬉しいです。ありがとうございます。
    普段見ているような鼠経ヘルニアとは違い腸の落ち方が異常だなと思いました。
    small bowel feces sign、腸の壁の染まり方は分かりませんでした。
    文章の説明後の動画を見ることでより分かりやすかったです。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >small bowel feces sign、腸の壁の染まり方

      重要ですので覚えておいてください。

      >文章の説明後の動画を見ることでより分かりやすかったです。

      ありがとうございます!

  14. 下腹壁動静脈の認識がそもそも間違っていました(・・;)
    ちゃんと覚えなおしておきます。
    動画もあってまさに痒い所に手が届きました(*’▽’)

    ちなみに、簡単すぎるから、常識すぎるからかもしれませんが、
    鼠径靭帯のシェーマはあっても、
    CT画像上で、これが鼠径靭帯です、
    という説明を見つけることができませんでした
    (Google画像検索で数分探してみました)ので、
    そういう画像があると面白いな~と思います(*´▽`*)
    少しご検討をお願いいたしますm(__)m

    1. アウトプットありがとうございます。

      >鼠径靭帯のシェーマはあっても、
      CT画像上で、これが鼠径靭帯です、
      という説明を見つけることができませんでした

      横断像では鼠径靱帯は同定困難ですが、冠状断像で可能です。

      症例⑧の動画解説をご覧ください。

  15. 脱出腸管の造影効果については問題なしと判断してしまいました.
    前回も同様の症例で造影効果を見誤りました.
    他の消化管の造影効果と比べる,という点をしっかり覚えておきたいと思います.
    本日もありがとうございました.

    1. アウトプットありがとうございます。

      >他の消化管の造影効果と比べる

      これが重要ですね。わかりにくいケースもありますが。

  16. 右の下腹壁動静脈の走行がわかりづらく内鼠径ヘルニア嵌頓と診断してしまいました。下腹壁動静脈の動画は非常にわかりやすかったです。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >右の下腹壁動静脈の走行がわかりづらく

      ですね。ちょっとこの症例ではわかりにくかったですね。

      >下腹壁動静脈の動画は非常にわかりやすかったです。

      ありがとうございます!

  17. 下腹壁動静脈の同定ができず、内鼠経ヘルニアとしてしまいました。
    動画で確認できとても分かりやすかったです。
    結構細い血管なので、現場でも確認できるよう、目に焼き付けておきたいです。
    あと、腸管の造影効果まで思考が至っていなかったため反省です。

    これが単純のみであった場合は、ビークサインや門脈内ガス、腸間膜の炎症などから、
    総合的に虚血を判断しなければならないのですよね?
    先日のイレウス症例含めて、復習します。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >結構細い血管なので、現場でも確認できるよう、目に焼き付けておきたいです。

      冠状断像も参考に同定してみてください。

      >これが単純のみであった場合は、ビークサインや門脈内ガス、腸間膜の炎症などから、
      総合的に虚血を判断しなければならないのですよね?

      単純のみで虚血の判断は難しいですね。
      以前のような単純CTで壁の高吸収まできたしていたら別ですが。
      今回は、beak signや腸間膜の浮腫は一つヒントになりますね。
      今回は門脈内ガスは認めていませんね。

  18. 鼠経ヘルニアはわかりましたが、造影不良なしと判断してしまいました。
    ちなみにこの症例では採血でも腸管虚血を疑うデータは認められましたでしょうか?

    1. アウトプットありがとうございます。

      >この症例では採血でも腸管虚血を疑うデータは認められましたでしょうか?

      確認しましたが、認めていませんでした。

  19. 下腹壁動静脈の走行を見間違えてしまいました。
    ソケイ輪からソケイ管を通り、陰嚢に至っているので、内鼠径だろうと思いこんで見ていたので、
    途中から違う血管を追ってしまいました。
    思い込みの間違えが多いことに気づかされました。反省です。
    陥頓が思い出せず、絞扼と書いてしまいました。
    もう少し落ち着いた状況で読影しないとダメですね。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >途中から違う血管を追ってしまいました。

      ちょっと今回右側は追いにくかったですね。

      >陥頓が思い出せず、絞扼と書いてしまいました。

      嵌頓も小さなclosed loopを作って、絞扼している状態ですので誤りではないです。

  20. この講座が毎日の楽しみになっております。
    造影不良と判断するのがなかなか難しかったです。

    1. 温かいお言葉ありがとうございます!

      造影不良の判断は実際は微妙な事も多く難しいこともあります。
      良く染まっている腸管と比較するようにしてください。

  21. 解答はできませんでしたが、解説を見たり、聞いたりして、内鼠径ヘルニア、外鼠径ヘルニア、大腿ヘルニアの区別が何となく分かった気がします。
    ただ、診療放射線技師としては絞扼生イレウスを必ず指摘できるようにしたいと思いました。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >診療放射線技師としては絞扼生イレウスを必ず指摘できるようにしたいと思いました。

      おっしゃるとおりだと思います。
      救急の現場ではぶっちゃけ、鼠径部にヘルニアが嵌頓している ということがわかればよくて、
      絞扼性イレウスが疑われると判断し、緊急手術へ持って行けるかが重要です。

  22. small bowel feces signを同定し、鼠径ヘルニアで絞扼疑いまでは言えたのですが、下腹壁動静脈の同定を誤ってしまい、内鼠径ヘルニアと診断してしまいました。また、単純CTで非常に薄く壁の濃度が高いような気がして、もしや腸管壁の出血性の壊死をきたしているのでは?と考えて絞扼疑いと考えてしまいました。造影不良から指摘ができなかったので、よくよく頭に叩き込んでおきたいです。
    ただ前回の症例で学習していたので、ヘルニア門同定の際の思考プロセスに大きな誤りはなかったと思います!

    質問なのですが、大腿ヘルニアと内鼠径ヘルニアで、ヘルニア内容の大きさの違いがおおまかな鑑別の助けになったりしますか?大腿ヘルニアでがっつり腸管が飛び出ている問題に出会ったことがない気がします。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >単純CTで非常に薄く壁の濃度が高いような気がして、もしや腸管壁の出血性の壊死をきたしているのでは?と考えて絞扼疑いと考えてしまいました。

      確かに単純を見直すと少し高吸収にも見えますが、
      症例㉖のような高吸収が典型例と覚えておいてください。
      http://medicalimagecafe.com/case/eY3bdxBi.html

      >質問なのですが、大腿ヘルニアと内鼠径ヘルニアで、ヘルニア内容の大きさの違いがおおまかな鑑別の助けになったりしますか?大腿ヘルニアでがっつり腸管が飛び出ている問題に出会ったことがない気がします。

      そういう記述は見つかりませんでしたが、
      おっしゃるように大腿ヘルニアで認めるのはいつもちょこっと逸脱している症例が多いですね。
      もしかしたらそれもヒントになるのかもしれません。

  23. 割とヘルニア門は広いように見えますが,脱出内容が多いから虚血をきたすのでしょうか.
    血管を巻き込むような風にもあまり見えないような.
    もちろん総合的判断なのですが.

    1. アウトプットありがとうございます。

      >割とヘルニア門は広いように見えますが,脱出内容が多いから虚血をきたすのでしょうか.
      血管を巻き込むような風にもあまり見えないような.

      おっしゃるとおりだと思います。かなり腸管が逸脱しておりますので。

  24. 前回、大腿ヘルニアの症例で理解したようで完全ではありませんでした。下腹壁動静脈の同定や鼠径靭帯の前後関係は今回で理解できとても清々しい気分になりました。有難うございました。
    腸間膜の浮腫性変化と脂肪織濃度上昇の所見は同じと理解してよろしいでしょうか。よろしくお願いいたします。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >下腹壁動静脈の同定や鼠径靭帯の前後関係は今回で理解できとても清々しい気分になりました。有難うございました。

      よかったです!!

      >腸間膜の浮腫性変化と脂肪織濃度上昇の所見は同じと理解してよろしいでしょうか。

      同じ脂肪ですので、似てはいますが厳密には違います。腸間膜というのは腸管に付着している膜ですね。
      小腸の場合は(小)腸間膜が付着しています。
      結腸の場合は(結)腸間膜が付着しています。

      これらに認める脂肪織濃度上昇を腸間膜の浮腫といいます。

      一方で例えば後腹膜臓器である腎臓に炎症があってその周りに脂肪織濃度上昇を認めることもあります。
      この場合は腸間膜の浮腫ではありません。

      ですので、脂肪織濃度上昇の方がより広義であり、画像上の腸間膜の浮腫を含むものですね。

  25. 緊急性を適格に判断するのは難しいなと感じました。質問なのですが、
    ①膀胱背側に造影されるデブリスみたいなものがあります。これはただ造影剤が排泄されているだけで臨床的意義はないのですか?なんだか排泄性に造影されるのにはやたら早い様な気がしてきてしまうのですが…

    1. アウトプットありがとうございます。

      >①膀胱背側に造影されるデブリスみたいなものがあります。これはただ造影剤が排泄されているだけで臨床的意義はないのですか?

      おっしゃるように造影剤が排泄されているだけですね。単純と比較するとよく分かると思います。
      平衡相ではこのように見られることがありますが、ちょっとよく溜まっているので少し撮影のタイミングが後ろにずれたのかもしれませんね。

      腹部TIPS症例をされているかわかりませんが、腹部TIPSの症例27では尿管から膀胱へ噴射されている様子がよく分かります。
      今回の症例よりはこのように噴射されているのを見る方が多いかと思います。

      https://imaging-diagnosis.com/view/x8UCKbE2

  26. ありがとうございました。腸管の造影不良を確認するのが苦手なのですが、他の腸管と比較することを意識づけたいと思います。
    あと、今回ヘルニア内に液体貯留を認めているようにもみえたのですが、そのような所見も絞扼や虚血を疑う所見として確認してよいものでしょうか?

    1. アウトプットありがとうございます。

      >腸管の造影不良を確認するのが苦手

      そうですね。造影されている他の腸管と比較するようにしてください。
      とはいえ、実際はかなり難しいことが多いです。悩ましい症例がたくさんあります。

      >今回ヘルニア内に液体貯留を認めているようにもみえたのですが、そのような所見も絞扼や虚血を疑う所見として確認してよいものでしょうか?

      そうですね。おっしゃるとおりです。解説では触れていなかったですね。
      ヘルニア水と言いまして、早期の絞扼を示唆する所見です。

      静脈閉塞
      →うっ血
      →血管透過性の亢進
      →浮腫、腸管外への液貯留

      によって起こっています。

      ご指摘ありがとうございます。追記します。

  27. いつも勉強になっております。
    下腹壁動静脈の解剖については関連のリンク先で確認いたします。
    虚血に陥っているかなと思いはしましたが、small bowel feces signが今回確認できなかったので、画像の印象を覚えておこうと思います。
    ちなみにbeak signも認められると書いたのですが、いかがでしょうか。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >ちなみにbeak signも認められると書いたのですが、いかがでしょうか。

      66 / 234や、183 / 234でおっしゃるようにbeak signと取ってよい所見を認めていますね。

      本症例では、系統的読影法で言うところの

      STEP4 外ヘルニアを除外する
      STEP5 閉塞機転を示唆する所見を探す(beak sign、small bowel feces signなど)

      いずれでも引っかけることができると言えますね。

      1. ご返信ありがとうございました。
        あと、基本的な事で恐縮です。
        所見の所に、腸間膜の浮腫と書いてある部分がありましたが、腸間膜も浮腫を起こすんだとふと思いました。
        これは、炎症波及による膜の肥厚と考えてよろしいのでしょうか?

        1. >腸間膜の浮腫と書いてある部分がありましたが、腸間膜も浮腫を起こすんだとふと思いました。

          腸間膜の浮腫は炎症の波及でも起こりますが、虚血の場合は静脈うっ滞を示唆する所見で、絞扼性腸閉塞の診断の一助となります。

          症例26の絞扼性腸閉塞でもめちゃめちゃ浮腫ってますよね。
          https://imaging-diagnosis.com/view/Yt7hPJfc

          その他、アニサキス小腸炎などでも浮腫を起こすことが知られていますので覚えておきましょう。

          関連
          https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/36723
          https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/5147

  28. 症例8を見返すとさらにヘルニアの理解が深まりました。
    下腹壁動静脈で外・内鼠径ヘルニアの鑑別、鼠径靭帯で内鼠径ヘルニアと大腿ヘルニアのメルクマールとなるんですね!

    ちょうどこの前、造影不良域は無さそうでしたが、opしてみると、壊死していたという症例がありました。opまでの時間に壊死したのか、それとも今回のように周囲腸管と比較してみると実は造影不良であった部位があったのか、、
    腸管の造影効果は悩みますね、、

    1. アウトプットありがとうございます。

      >症例8を見返すとさらにヘルニアの理解が深まりました。

      よかったです(^^)

      >造影不良域は無さそうでしたが、opしてみると、壊死していたという症例がありました。opまでの時間に壊死したのか、それとも今回のように周囲腸管と比較してみると実は造影不良であった部位があったのか、、腸管の造影効果は悩みますね、、

      貴重な体験談ありがとうございます。
      画像で造影不良があったとしても、手術すると壊死には至っておらず腸切除がなされなかったということはしばしばあります。

      ・症例26のような単純CTでも出血性梗塞を示唆する高吸収な壁になっている。
      ・症例30のような壁内ガスを広範に認めている

      様な場合は恐らく壊死があるのだろうと事前に評価できますが、造影不良=壊死というわけではないので、採血データなども参考になりますが、最終的にはこればかりは手術してみないとわからないのだと思います。

  29. いつもお世話になっております。

    まとめると、

    ヘルニア門が鼠径靭帯よりも下で、外腸骨動静脈に並走することが多い(腸管の脱出が軽度であることがヒントになるかも)→大腿ヘルニア
    ヘルニア門が鼠径靭帯より上かつ下腹壁動静脈の内側→内鼠径ヘルニア
    ヘルニア門が鼠径靭帯より上かつ下腹壁動静脈の外側→外鼠径ヘルニア

    で大丈夫ですか?

    1. アウトプットありがとうございます。

      まとめていただいてありがとうございます。
      それで大丈夫です。

  30. 今回そもそも下腹壁動静脈の同定ができませんでしたが、動画解説でよくわかりました。ありがとうございました。
    ところで、今回の症例の下腹壁動脈はアーチを描くようにヘルニア門の上(外側)を通っているように見えるのですが、それでも外鼠経ヘルニアになるんでしょうか?解剖がわからず変なことを聞いていたらすみません。。。

  31. 他の方も書いていますが、下腹壁動脈があんな風に走行しているなんて、難しかったです。ただ、ヘルニアが末梢に行くに従い内側になっているという大きなヒントもあったのですね。
    さらに新鮮だったのは、嵌頓した腸管が壊死になっているかということ以外に、ヘルニアになった腸のために、腹腔内にある腸管が絞扼されているかどうかという視点でした。
    今回も大変勉強になりました。

    1. アウトプットありがとうございます。

      >他の方も書いていますが、下腹壁動脈があんな風に走行しているなんて、難しかったです。

      確かによく見ないと見失いそうですね。

      >ヘルニアが末梢に行くに従い内側になっているという大きなヒントもあったのですね。

      そうですね。これもヒントになりますね。

      >さらに新鮮だったのは、嵌頓した腸管が壊死になっているかということ以外に、ヘルニアになった腸のために、腹腔内にある腸管が絞扼されているかどうかという視点でした。

      外ヘルニアの嵌頓はclosed loopを作っているのと同様なのでまずは嵌頓している部分から虚血になります。
      また口側腸管は拡張して今回のようにbeak signを形成したり、small bowel feces signを認めたりすることがありますね。

  32. ①腹腔内の拡張した小腸を追っていくと(おそらく口側に?)、178-179/234で腹腔内の拡張した小腸から腹腔内の虚脱した小腸に移行しているようにみえるのですがこの部分は狭窄やcaliber changeとは呼ばないのでしょうか?
    ②拡張した小腸の位置関係がよくわからないので教えていただきたいです。
    ヘルニア門に2か所で入っていき、精巣内(?)でclosed loopを形成しているようにみえるのですが、腹腔内では拡張した腸管を追っていくとループを描いてまた鼠径部に入って行ってしまいます。でも①で指摘したところもつながっているようにみえるがそれを口側だとしたら肛門側につながる虚脱した腸管もあるはずだけど同定することができません。肛門側の腸管がどれなのか、もしくはどこが間違っているのかご指摘いただきたいです。面倒な質問でもうしわけございません。。

    1. アウトプットありがとうございます。

      おっしゃるように平易な鼠径ヘルニアではなさそうですね。追えば追うほどドツボです(^_^;)
      どういうことが起こっているのかイラストを用いて説明したいのですが、イラストレーターにお願いしたイラストがまだ上がってきません。
      上がってきたら、解説します。

      1. ご丁寧な解説、誠にありがとうございました。もやもやししていたものがスッキリしました!

  33. ヘルニア周囲の腸管のうち、腹腔内のものは、造影効果は不良に見えましたが、一方で脱出している腸管は造影効果があるように見えたのですが、これも造影効果は不良でしょうか?

    1. アウトプットありがとうございます。

      造影効果の有無については、白黒はっきりするものではないところが難しいところですね(^_^;)
      脱出している腸管にも少し造影不良があるのかなとは思いますが、明瞭とはいえず、個人的な見解です。