食餌性腸閉塞
研修医
食餌性腸閉塞って何ですか?
指導医
要は消化の悪いものを食べて、それが原因でイレウスを起こした状態です。
- 頻度は腸閉塞全体の1%前後。機械性腸閉塞に分類される。
- 閉塞部位は下部小腸に多い。
- 原因として、餅、ごぼうの様な咀嚼困難なもの、昆布の様な水分で膨化するもの、コンニャク、椎茸のような消化の悪いものなどがある。
食餌性腸閉塞のCT所見は?
- 餅はCTで高濃度病変として描出される。
- CTでは、小腸内にガスを含んだ糞便様物質(small bowel feces sign,bubbly mass and impaction)、その口側の小腸が拡張する。
指導医
小腸内は通常液体成分ですから、糞便様物質があるだけでおかしいと思い、腸閉塞の閉塞起点ではないか?とチェックしましょう。
症例 70歳代女性 腹痛、嘔吐
指導医
下部小腸に内部にairを含んだ食餌があり、そこから口側が拡張した症例です。ピンク色が残渣、水色が拡張した口側の腸管です。
症例 70歳代男性 腹痛
こちらの症例も同様。
指導医
小腸腸閉塞を見たときに、腸管の拡張が始まる部位の小腸内に空気を含んだ残渣様のものがないかをチェックするようにしましょう。
関連記事:【保存版】腸閉塞・イレウスのCT画像診断の徹底まとめ!