先に結論:Zenker憩室とKillian-Jamieson憩室
- Zenker憩室は、のどと食道のつなぎ目の後ろの壁の筋肉の弱い部分(Killian三角)から外へ袋が飛び出す憩室で、高齢者に多く、飲み込みにくさ・食べ物の逆流・口臭・誤嚥の原因になります
- 食道造影で診断は容易で、CTでは食道の後ろの空気や液体・食べ物を含む袋として見えます。横(側方)に出るものはKillian-Jamieson憩室で、別の弱い部分から出ます
- 甲状腺の手術前のCTなどでは甲状腺の結節や右傍気管嚢胞と間違えないことが大切です。症状が強ければ内視鏡治療や手術を検討します
Zenker憩室とは
- 読み方はツェンカー憩室。
- 咽頭食道接合部の後壁にみられ、下咽頭収縮筋(甲状咽頭部)と輪状咽頭筋の間の筋層の弱い部分(Killian三角)にできる圧出性憩室。
- 筋層を欠く仮性憩室。
- 加齢とともに頻度が高くなる。
- 大きくなると、食物が貯留して誤嚥や、嚥下障害、逆流の原因となることがある。
Zenker憩室の画像所見
- 下咽頭・食道造影で頚部食道(咽頭食道移行部)に憩室を認め、診断は容易。
- CTやMRIでも空気あるいは液体、食物残渣を有する腫瘤様構造として認められる。
※似たようなものに(右)傍気管嚢胞があります。→右傍気管嚢胞(気管嚢胞)とは?CT画像所見は?
症例 60歳代男性 スクリーニング

頚部食道の左後壁側にairを認めています。
Zenker憩室を疑う所見です。
症例 40歳代女性 スクリーニング

甲状腺左葉の背側、頚部食道の左側にairを認めています。

下咽頭食道透視で食道との連続性が確認され、食道憩室(Zenker憩室→Killian-Jamieson憩室)と診断されました。
※好発部位は後壁ですが、今回はやや前壁に認めていますね。
コメントいただきありがとうございます。

引用:Gastroenterological Endoscopy Vol. 63(2), Feb. 2021
コメントいただいたように、上のようにZenker憩室は後方に出るのに対して、KJ憩室は側方に出るということで、今回はZenker憩室ではなく、Killian-Jamieson憩室のようです。Killian-Jamieson憩室はZenker憩室の約1/4の頻度で、平均径も1.4cm(Zenker憩室は2.5cm)と小さく、左側に多く、症状や誤嚥を起こすことは少ないと報告されています。
参考:
頭頸部の画像診断 P335
画像診断first aid P185
参考文献
- Rubesin SE, Levine MS. Killian-Jamieson diverticula: radiographic findings in 16 patients. AJR Am J Roentgenol. 2001;177(1):85-9. PubMed
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ご提示されているものはおそらくKillian-Jamieson憩室ではないかと思います。
Zenker憩室は後方に出るのに対して、KJ憩室は側方にでて、しばしば甲状腺の背側で腫瘤に見間違えられます。
とはいえこの二つを区別している報告もすくなく、かなりの割合でKJ憩室をZenker憩室としているものがみられるので、実質間違いではないのかもしれませんが・・・。
コメントありがとうございます。
また返信が大変遅くなり申し訳ございません。
ご指摘いただいた様にKillian-Jamieson憩室のようですので、修正させていただきました。
誤植をご指摘いただきありがとうございました。