胸膜外脂肪(extrapleural fat)
- 壁側胸膜と胸内筋膜(胸壁)との間に存在する脂肪織。
- 脂肪織の厚さは個人差があり、第4-8肋骨の高さで外側から背側に多く見られる。
- 正常変異であるが、胸膜肥厚や限局性の胸水貯留との区別が問題となることがある。
- 肥満患者や、ステロイド長期投与の患者では縦隔脂肪も増加するため、心膜外脂肪塊による陰影も同時に見られることが多い。
胸膜外脂肪(extrapleural fat)の画像所見
- CTを撮影することで、胸膜肥厚や限局性の胸水貯留との鑑別は容易。
- 脂肪が目立つ濃度に調節すると皮下脂肪と同じような脂肪濃度として描出される。
症例 60歳代女性 スクリーニング
両側胸膜がやや肥厚しているように見えます。
脂肪を目立たせるように濃度を調節すると、皮下脂肪や心膜外脂肪塊と同じような脂肪濃度であり、胸膜外脂肪であることがわかります。
参考:単純X線写真読影のためのキーワード201 P104