【胸部】TIPS症例39
【症例】70歳代男性
スクリーニング
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どんな血管奇形がありますか?
右鎖骨下動脈が大動脈弓部から直接分岐して、食道・気管の背側を走行しています。
これを異所性右鎖骨下動脈と言います。
正常は大動脈弓部から腕頭動脈が分岐して、その腕頭動脈が
- 右総頚動脈
- 右鎖骨下動脈
と分岐します。
正常解剖はMRAで見るとわかりやすいです。
正常の解剖を胸部画像診断ツール(PC対応で、スマホ・タブレット対応していません)で今一度確認しておいてください。
診断:異所性右鎖骨下動脈
【胸部】TIPS症例39の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
言われてみればこんなに明確なのに気付けませんでした。今回のように聞かれてもこれですから、日常だと全然気付けてないのだと思います。。。
アウトプットありがとうございます。
単純CTでも気づきたいですね。こっそり気管の背側を横切る症例がたまにあります。
「反回神経が反回しないこと」は重要なので覚えて起きます。
そうですね。頚部手術の際に重要な情報となりますね。
反回神経が反回しないに私も反応しました。右?左?ということで調べたところ『迷走神経の分枝である右反回神経の走行は反回せずに直接喉頭に至る』(脳血管内治療学:滝和郎P23:ネットで見れました)ということでした。SVC症候群の時に反回神経マヒにならずに良いなと思いましたが、悪いことのほうが多いんでしょうね。いろいろためになります。ありがとうございました。
補足ありがとうございます。
右ですね。
※右反回神経は腕頭動脈起始部レベルで迷走神経から起始して上行する。
※左反回神経は大動脈弓部の下レベルで迷走神経から起始して上行する。
なので、左は大動脈弓部を反回します。
一方で右は腕頭動脈起始部レベルで、厳密にはちょっと違いますが、右鎖骨下動脈を反回します。
https://imaging-diagnosis.com/view/Fn6uTfzj
この辺りの神経の様子とCTとの関係は↑こちらがわかりやすいです。
このような正常変異は覚えておかないと,実際出くわした時にスルーしてしまう可能性が高いですね.
蛇行が強くなったりして,食道や気管を圧排するような症例もありそうですね.
アウトプットありがとうございます。
>実際出くわした時にスルーしてしまう可能性が高いですね.
そうですね。よくわからないけど、正常変異?として済ませそうですね。
ここで扱っているのは教科書に載っているメジャーなものです。
「こんな変異もある」ということを一度体験していただき、次見たときに何かどっかでみたことあるような・・・と気づいていただければとりあえずよしです。
こんばんは。
本日もご解説ありがとうございました。
気がつくのに結構時間がかかりました、血管奇形があると言われない限り気がつけなかったと思います。
アウトプットありがとうございます。
血管奇形は慣れていないと少し難しいですね。
1、あれ、いつもと違うぞという違和感に気づく
2、こういう血管奇形があると言うことを知っておく
この両方が必要ですね。
今回は造影ですが、単純となると1のハードルがさらに上がります。
この血管奇形は何?と聞かれればすぐ分かるのですが、普段の読影では大抵気付けませんT_T
甲状腺や食道など頸部のオペ前のCT以外でも、必ず指摘した方が良いでしょうか?
今後血管にもきちんと気を配りたいと思います!
アウトプットありがとうございます。
>普段の読影では大抵気付けませんT_T
血管奇形なかなか難しいですよね。私も過去のレポートを読んでいて、「ん?どこのこと言ってる?・・・・確かに・・・・」ということがあります。
胸部ではありませんが、例えばこの症例も別目的で用意した症例ですが・・・・
https://imaging-diagnosis.com/view/h2SPTcjv
※すでに取り組んだ方も是非挑戦してみてください(^^)コメント欄もお楽しみください。
>甲状腺や食道など頸部のオペ前のCT以外でも、必ず指摘した方が良いでしょうか?
そうですね。血管奇形は基本的に指摘しておいた方がいいですね。
腹部救急画像診断 症例2でのコメントに、ある先生が異所性右鎖骨か動脈を指摘されていました。
何のこっちゃろ?とその時は思っていましが、今こうしてこの血管奇形に再び出会ってちょっと感慨深いものがあります。
いろんなものがあるのですね。
アウトプットありがとうございます。
>腹部救急画像診断 症例2でのコメントに、ある先生が異所性右鎖骨か動脈を指摘されていました。
ありましたね。
>何のこっちゃろ?とその時は思っていましが、今こうしてこの血管奇形に再び出会ってちょっと感慨深いものがあります。いろんなものがあるのですね。
いろんなのがあるのですが、主なものは数が知れています。
今回の講座で出てくる血管奇形を押さえておけば大丈夫だと思います。
腹部は腹部TIPSで扱っています。
他の方もおっしゃっていますが、血管奇形はと問われないと難しいです。
左右の総頸動脈がほぼ同時に大動脈弓から分枝しているように見えました。
右・左総頸動脈→左鎖骨下動脈→右鎖骨下動脈の順で分枝しているという理解であっているでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>他の方もおっしゃっていますが、血管奇形はと問われないと難しいです。
気管の正中から右側を回る様な形で血管を認めており、「あれ奇静脈?とするとレベルが高いような・・・」と気づくことができればこの血管の変異も割と気づきやすいです。単純だと難しいこともあるかもしれませんが(^_^;)
>右・左総頸動脈→左鎖骨下動脈→右鎖骨下動脈の順で分枝しているという理解であっているでしょうか。
おっしゃるとおりです。
coronary arteryが高吸収になっていますが、これはステントですか?石灰化でしょうか?鑑別は容易ですか?
アウトプットありがとうございます。
ステントの場合は人工物ですので平行な直線となりますが、石灰化の場合は不規則となりますね。
濃度を変えれば判定できます。
今回は石灰化です。
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/training/wp-content/uploads/2021/05/epctcase39.png