異所性右鎖骨下動脈(右鎖骨下動脈起始異常)(aberrant right subclavian artery)
- 右鎖骨下動脈(右鎖骨下動脈起始異常)は一般的に腕頭動脈から分岐する。それが、左鎖骨下動脈より遠位の大動脈弓から直接分岐して食道と気管の背側を走行する先天奇形を異所性右鎖骨下動脈という。
- 異所性右鎖骨下動脈が存在すると、反回神経が反回しないことが指摘されており、甲状腺や副甲状腺、頸部食道の術前評価に置いて重要な意義を有する。
- 頻度は0.5%前後。
- 単純CTでは、腫瘍などと誤診する可能性あるので注意。
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症例 70歳代男性 造影CT
右の鎖骨下動脈が大動脈弓部から、食道・気管の背側を右に走行している。異所性右鎖骨下動脈の所見。
症例 70歳代 男性
右の鎖骨下動脈が大動脈弓部から、食道・気管の背側を右に走行している。異所性右鎖骨下動脈の所見。
この異所性右鎖骨下動脈の様子を動画でチェックする。
Edwards らの重複大動脈弓の仮説
- Edwards らの重複大動脈弓の仮説では、発生段階において両側に大動脈弓が存在し、一部の血管が退縮することで、通常の左側大動脈弓や右鎖骨下動脈起始異常、右側大動脈弓などの形態が生じるとされる。これに対し、血管が退縮しなかった場合には、重複大動脈弓として残存すると考えられている。(Lab Invest . 1953 Jan-Feb;2(1):56-75.)
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