【胸部】TIPS症例5
【症例】50歳代女性
直腸癌術後スクリーニング
画像はこちら
肺尖部で食道の右側にある空気はなに?
肺尖部レベルで、食道の右側に空気を認めています。
気管や食道との連続性ははっきりしません。
どっちかから空気が漏れたのでしょうか?
穿孔したのでしょうか?
ではなく、これは右傍気管嚢胞(right paratracheal air cyst)と呼ばれる正常変異です。
とくに外傷患者の場合、縦隔気腫と診断しないように注意が必要です。
今回はサイズが小さめですが、大きいものでは15mm程度のものもあり、分葉状形態や複数認めることもあります。
診断:右傍気管嚢胞(right paratracheal air cyst)
【胸部】TIPS症例5の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
以前何人か、気管嚢胞の患者を見たことがありますが、やはり右側でした。
ですね。右でしかむしろ見たことがない気がします。
派手ではないし病的ではないと思えそうですが、やはりfree airのようなものを見ると少しびびってしまいますね。
縦隔気腫との鑑別が問題となることがありますが、縦隔気腫だったとしても、腹腔内遊離ガス(free air)とは異なり基本経過観察くらいしかできませんので、フォローで大丈夫ですね。
割と頻度が多く右傍気管嚢胞はありますので、その目で見てみてください。
気管嚢胞といえば右側なんですね。
食道などとの瘻孔があるのかと思いました。随分話が変わってくるので注意します。
アウトプットありがとうございます。
>食道などとの瘻孔があるのかと思いました。
そうですね。食道憩室や縦隔気腫と鑑別が重要となりますが、場所からわかりますね。
今回は完全に正解できて嬉しかったです!
おめでとうございます(^^)
知ってるか知っていないかですね。今回は単発でしたが、多発していることもありますね。
正解できたはごろ〜先生のおかげです。
画像を見て気管の憩室か嚢胞っぽいと判断し、「気管 嚢胞」の画像でググったら画像診断まとめの右傍気管嚢胞のページがヒットしました。
けっこうあるあるですよねw
いつもありがとうございます。
アウトプットありがとうございます。
調べる→それぽい解答見つける→回答提出→解答確認
をすると、よくわからないまま提出するより、頭に入りやすいと思います。
さらにここにコメントをいただくことでより頭に残りやすくなります。
今回のコメント率は参加者の1〜2%くらいですが(^_^;)
コメントが反映されないトラブルも出ているようで・・・
症例ありがとうございます。
一見、気腫を疑ってしまいますが、嚢胞という正常変異という可能性もあるのですね。
今回の症例をふまえて、緊急性があるのかないのかの冷静な判断が必要だと思いました。
アウトプットありがとうございます。
割と頻度の多い正常変異ですので、覚えておいてください。
本日もご解説ありがとうございました。
エアの食道や気管との連続性が保たれていないことから、何らかの正常変異であろう…と推測したものの、結局わかりませんでした。
エアの連続性の確認は腹部CTでもたくさん経験させていただいたので、改めて重要性を実感しました。
右傍気管嚢胞、頭に刻んでおきます!
アウトプットありがとうございます。
連続性は分かるケースとわかりにくいケースがあります。
この嚢胞に喀痰が溜まったり、たまに感染することもあります。
23/126で左主気管支下の食道前側に見えるairはsubcarinal air cystでしょうか?
気管分岐よりも遠位側ですが…
https://radiopaedia.org/articles/subcarinal-air-cyst?lang=us
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20498544
アウトプットありがとうございます。
確かに!!!
ありますね。
https://www.semanticscholar.org/paper/Characteristics-and-CT-features-of-subcarinal-air-Higuchi-Takahashi/97d0c3b93de998db216e4dd49ea1671be895a10d
こちらのfigure1に酷似していますね。
今回冠状断像がないのが残念です。
ありがとうございますm(_ _)m
お世話になります。知らないことだらけですが、楽しいです。
縦隔気腫との鑑別が重要であるとのことで、縦隔気腫のCTをググって見てみました。空気が漏れたところから周囲を裂くように広がっている印象(特に冠状断で)でした。本症例はクリっと限局的な形のしっかりとした印象で、そこに違いを感じたのですが、、、
漏れた空気の量が少ない時に鑑別が難しいということでしょうか。
所有している教科書にはdouble wall signと皮下気腫に関する記述しかなく、場所と形態のどこに着目すべきかが分かりませんでした。。。
アウトプットありがとうございます。
>漏れた空気の量が少ない時に鑑別が難しいということでしょうか。
そうですね。仮にこの部位のみに縦隔気腫が生じたとすると画像のみでの鑑別は困難と言うことになります。
縦隔気腫を生じるような外傷や、咳嗽などの臨床情報も非常に重要となります。
縦隔気腫の可能性が考えられる場合でも、基本は保存的に加療されますのでフォローのCTで再度チェックということになるか、縦隔気腫だけだとフォローされないこともありますね。
気管憩室と同じでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
そうですね。気管憩室と考えていただいて結構です。
先天性説、後天性説両方があるようです。
傍気管嚢胞 不勉強で初めて知りました。関連サイトを見ると複数見られるのもあるようで 縦隔気腫と間違えそうです。食堂憩室と答えてしまいましたが(こちらは稀ですが)鑑別は 位置と食道との連続性でしょうか?
アウトプットありがとうございます。
おっしゃるように複数認めることもしばしばありますし、サイズが大きいこともあります。
>食堂憩室と答えてしまいましたが(こちらは稀ですが)鑑別は 位置と食道との連続性でしょうか?
鑑別は場所ですね。気管の右なのか左なのかが重要です。
食道との連続性も重要ですがCTでは連続する場所がわからないこともしばしばありますので。
気管や食道との交通がはっきりしなかったため、肺尖部がくびれた形をしているのかと安直に考えてしまいました
アウトプットありがとうございます。
交通は見えないことの方が多いので好発部位を覚えておきましょう。