【胸部】TIPS症例4

【胸部】TIPS症例4

【症例】80歳代女性

スクリーニング

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右上肺野内側に腫瘤があるようにみえますが何でしょうか?

確かに胸部レントゲンで右上肺野の内側が欠けて見えており、上縦隔に腫瘍があって肺野に突出しているように見えます。

ただし、気管の偏位は認めていません。

これは何でしょうか?

その正体を突き止めるためにCTを見てみましょう。

すると縦隔腫瘍は見当たらず、腕頭動脈が蛇行して、内側に突出していることがわかります。

これが正体でレントゲンで腫瘤状に見えていたのです。

レントゲンと冠状断像を並べて見てみるとその様子はより明瞭ですね。

高齢者でよく見られる正常変異であり、腕頭動脈のbucklingと呼ばれます。

※buckling:かがまり,座屈,腰折れ

 

診断:腕頭動脈のbuckling(による偽病変)

 

※気管を押していないという点も縦隔腫瘍との鑑別点となります。

【胸部】TIPS症例4の動画解説

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