
症例23
【症例】80歳代男性
画像はこちら
両側の腎臓に認めている高吸収をなにと言う?
尿路結石のうち、結石が腎盂と腎杯を鋳型として、腎盂腎杯に沿った部位を占めるものをサンゴ状結石といいます。
診断:両側サンゴ状結石
※サンゴ状結石は女性や膀胱カテーテル留置患者において、尿路感染や黄色肉芽腫性腎盂腎炎に合併しやすいとされます。今回の症例では、30年前から腎結石が指摘されているということのみで、慢性的な尿路感染の有無などは記載がありませんでした。
その他所見:
- 甲状腺右葉にLDAあり。
- 左肺に石灰化肉芽腫あり。
- 冠動脈石灰化あり。
- 両側腎の菲薄化あり。腎嚢胞あり。
- 傍十二指腸憩室あり。
▶おまけ
2018年の夏休みに沖縄の西表島から船で行けるバラス島から持ち帰ったサンゴ礁です。
みなさんにサンゴ状結石を理解して欲しいがために持ち帰りました(嘘)。
今回初めて沖縄の離島(石垣島→西表島→小浜島→石垣島)に行きましたが、西表島すごくよかったです。
イリオモテヤマネコには出会えませんでしたが。
今年の夏休みの候補にぜひ!!!
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
甲状腺右葉腫瘤が気になりました(どうでもいいかもですが)
ありがとうございます。LDAありますね。追記しました。
腎盂と腎杯の形をした石灰化が
サンゴの形に似ているから
サンゴ状結石なんですね。
なるほどって思いました。
一つ質問なのですが、
傍十二指腸憩室は
→89スライスあたりの
膵頭部と十二指腸下行部の
間の壁を持った
袋状のものでしょうか?
よろしくお願いします。
アウトプットありがとうございます。
>サンゴの形に似ているから
サンゴ状結石なんですね。
おっしゃるとおりですね。
>→89スライスあたりの
膵頭部と十二指腸下行部の
間の壁を持った
袋状のものでしょうか?
十二指腸の憩室ですね。
傍十二指腸憩室と記載しているものです。
尿路感染に合併しやすい、確かにですね。
さらに、こんな石が腎盂にあったら、またそれ自体が尿路感染のリスクになりますよね。
スパイラル的な感じなんですよね、多分(^-^;
海面腎と間違えてしまいましたが、それは腎錐体部の石灰化なんですね。
先生のサイトも参照しました。
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/16311
腎皮質・腎膵体部と石灰化部位によって原因が異なるのですね。
プラスで今回の尿管の石灰化、覚えておきます(^▽^)/
海、えげつなく綺麗ですね!!
僕は病的に海が好きなので、ぜひ行きたいです。
近所に割ときれいな海があるので、週に1回くらいは見に行ってます笑。でなければ蕁麻疹が出そうです。
石垣は今すぐにでも行きたいですが、やっぱり結構値段は張りますか(^-^; ?
アウトプットありがとうございます。
>海面腎と間違えてしまいましたが、それは腎錐体部の石灰化なんですね。
そうですね。今回は尿管内の結石で腎臓の石灰化ではないですね。
>僕は病的に海が好きなので、ぜひ行きたいです。
そうなんですね!
>石垣は今すぐにでも行きたいですが、やっぱり結構値段は張りますか(^-^; ?
リゾートホテルに泊まると海外行った方がいいのでは!!と思うくらい高いですが、
民宿とかならめちゃ安いです。
去年はリゾートと民宿ぽいところ半々くらいで宿泊しました。
あとはやはり時期ですね。今とかなら安いと思います。
いつも勉強になります。
質問なのですが、92の総胆管と十二指腸合流部?あたりにある石灰化はなんなのでしょうか。胆嚢や総胆管が大きくなっているように思えたので小さな胆石でもあるのかと思ってしまいました、、
高齢者は色々な原因で尿路感染を起こしますね…
若年者の風邪以上に頻回になる方もいて、頭が痛くなることがあります(/_;)
慢性的に繰り返される方おられますね・・・。
大昔、模式図で習ったけれど、画像を見たのは、初めてかも。
アウトプットありがとうございます。
尿路結石は非常に頻度が高いですが、ここまでのサンゴ状はなかなか日常臨床でも見ないかもしれませんね。
サンゴ状結石のような感じで、腎盂全体が石灰化して腎萎縮も起こしているような患者さんを撮影することがありますが、今回のような方の症状が進んだ状態をみているのでしょうか、それとも腎不全などから同様の形態をとるのでしょうか。
画像の提示もなしに一概に言えないかと思いますが、何かあれば教えていただきたいです。
アウトプットありがとうございます。
その場合はこちらの可能性もありますね。
https://imaging-diagnosis.com/view/rB6sCWDv
復習しておいていただければ幸いです(^^)
沖縄の海、綺麗ですね!こういうオマケ記事があると読影も楽しくなります。
本記事・コメントにて指摘されている、86-91スライスにある袋状の低吸収域のものが傍十二指腸憩室とのことですが、85,84,83スライスと辿っていくと総胆管に見えたので、総胆管拡張があると思ってしまいました。
頭尾方向に長い傍十二指腸憩室があるのか、Lemmel症候群(黄疸や症状がないので否定的かもしれませんが)なのかの区別がつきませんでした。憩室と総胆管の見分けにコツなどがありましたらご教授ください…!
アウトプットありがとうございます。
>沖縄の海、綺麗ですね!こういうオマケ記事があると読影も楽しくなります。
なるほど、オマケ記事があると良いんですね・・・・φ(..)メモメモ
>憩室と総胆管の見分けにコツなどがありましたらご教授ください…!
・総胆管の場合は内部は胆汁ですので、腎嚢胞や肝嚢胞、胃液などと同じくらいの液貯留の低吸収となります。
・憩室の場合は、内部はガスか、残渣か、たまに液貯留となります。
86 / 154でガスがある右側(向かって左側)が憩室、液貯留の低吸収である左側(向って右側)が総胆管となります。
>85,84,83スライスと辿っていくと総胆管に見えた
おっしゃるようにこのスライスでは憩室は見えず、総胆管のみです。
総胆管は確かに少し目立ちますが、肝内胆管の拡張も認めていません。
正常上限くらいですね。
確かにこちらの20歳代の健常者と比較すると目立ちますが。
https://imaging-diagnosis.com/view/zd5ULxgs
オマケがあると、エピソードと関連して記憶に残るのでいいですね。
アウトプットありがとうございます。
なるほど、やはりオマケは大事なんですね!!
いつもありがとうございます。腎以外の部分ですが教えて頂けると幸いです。103-105にかけて、103で上行結腸の上側、104と105で下側に円形の高吸収域がありますが何でしょうか?前立腺の高吸収は生理的な石灰化でしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>103-105にかけて、103で上行結腸の上側、104と105で下側に円形の高吸収域がありますが何でしょうか?
結腸憩室ですね。
>前立腺の高吸収は生理的な石灰化でしょうか?
前立腺の石灰化は生理的ですね。指摘する方もおられると思いますが、個人的には指摘もしない所見です。
いつも勉強になります。
質問なのですが、92の総胆管と十二指腸合流部?あたりにある石灰化はなんなのでしょうか。胆嚢や総胆管が大きくなっているように思えたので小さな胆石でもあるのかと思ってしまいました、、
アウトプットありがとうございます。
おっしゃるように総胆管結石かもしれません。
傍十二指腸憩室がありますね。
お世話になっております。
スライド87-93 右腎の膿瘍のような低吸収はなにか結石と関係あるものでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
膿瘍ではなく結石が邪魔して腎杯が拡張していますね。
いつも勉強させていただいています。
遠い昔に、鋳型状の結石の写真が教科書に載っており、驚いたことを思い出しました。
サンゴ状結石ですね。再度インプットさせていただきました。
これからもご指導お願いします。
アウトプットありがとうございます。
>鋳型状の結石の写真が教科書に載っており、驚いたことを思い出しました。
特徴的なのでインパクトがありますよね。
是非この機会に覚え直してください。
造影剤との鑑別は、造影剤の使用歴を確認するしかないですか?
アウトプットありがとうございます。
造影剤と石灰化ではCT値が違いますので、この環境ではできないですが、ウインドウを変えて見ると造影剤ではないと判断できます。
造影剤の場合も使った直後でないのにここまで腎盂や腎杯に溜まることは普通はありません。膀胱内ならまだしもです。