サンゴ(珊瑚)状結石(staghorn calculus、珊瑚状結石、尿路結石)
- 尿路結石のうち、結石が腎盂と腎杯を鋳型として、腎盂腎杯に沿った部位を占めるもの。
- ストルバイト結石(=リン酸マグネシウム・アンモニウム(MAP:magnesium ammonium phosphate))が70%を占める。
※ストルバイト結石は、プロテウス、緑膿菌、クレブシエラ、ブドウ球菌などのウレアーゼ産生菌による尿路感染により生じることが多い。
- 女性や膀胱カテーテル留置患者において、尿路感染や黄色肉芽腫性腎盂腎炎に合併しやすい。(黄色肉芽腫性腎盂腎炎の75%に結石を認め、珊瑚状結石であることが多い。)
- 治療は困難なことが多いが、体外衝撃波砕石術(electrohydraulic shock wave lithotripsy:ESWL)および経皮的腎結石摘出術(percutaneous nephrolithotomy:PNL)による。
症例 70歳代 女性
右腎に珊瑚状結石を認めている。
この症例の珊瑚状結石を動画でチェックする。
症例 70歳代男性
腹部単純CTの横断像です。
左腎にサンゴ状石灰化を認めています。
動画でチェックする。
症例 60歳代女性
腎結石の種類は?珊瑚状結石を作るのは?
- カルシウムを含む結石(80%):シュウ酸カルシウム・リン酸カルシウム
- リン酸マグネシウム・アンモニウム(MAP)(10%):尿路感染に合併する。珊瑚状結石を作ることがある。
- 尿酸結石(10%):痛風に合併
- シスチン結石(1%):遺伝性が多い
- キサンチン結石(<1%):遺伝性が多い。