腎実質内の石灰化の鑑別
- 腎の石灰化は、皮質・髄質・腎盂腎杯のどこに石灰化を認めるかで鑑別する。髄質〜腎盂腎杯の石灰化が95%と大部分で皮質の石灰化は少ない。
腎皮質の石灰化
- 慢性糸球体腎炎
- 腎梗塞後
- 急性皮質壊死
- Alport症候群
- 移植腎の拒絶反応による萎縮
- エチレングリコール中毒
- 高シュウ酸血症
腎髄質の石灰化
- 副甲状腺機能亢進症
- 甲状腺機能亢進症
- 遠位型尿細管アシドーシス:原因として、シェーグレン症候群、SLE、PSCなど。
- 腎石灰化症
- サルコイドーシス
- Cushing症候群
- Batter症候群
- 腎乳頭壊死
- 腎結核
- 海綿腎(狭義の腎髄質石灰化には含まれない。拡張した乳頭内に結石が多発。)→海綿腎のCT所見
※高カルシウム血症または尿症において尿細管内や腎実質に石灰沈着を生じる。原則として腎機能障害がある。乳頭(集合管)のすべてあるいは一部に石灰化あり。
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