
【頭部】TIPS症例65
【症例】70歳代 女性
スクリーニング
異常所見と診断は?
右優位にくも膜下腔に広範な著明な高吸収を認めています。
くも膜下出血!!!!
「脳外科のオンコールのPHS番号は・・・・」
いや、ちょっと待ってください。
出血にしては高吸収過ぎます。
ですので、造影剤が脳槽に存在していると考えます。
なんでこんなところに造影剤があるのでしょうか?
くも膜下腔に造影剤があるということは、ミエログラフィ後の可能性があります。
カルテのチェックをしましょう。
やはり、ありました。
頚椎CT
ミエログラフィ後にCTが撮影されていました。
C3/4の著明な狭窄があることがわかります。
頚椎症性脊髄症を疑う所見です。
診断:ミエログラフィ後の頭部CT
※その後、頚椎椎弓形成術(C3-6)が施行されました。
関連:
【頭部】TIPS症例65の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
今回のは知らなかったですが、たどり着けました。SAH関連だと水頭症になっていないのでやはり除外だと思いました。石灰化なのか繊維過形成みたいなのが脳にもあるのかと思いましたがやはり違うかと。ミエロぐらいしか脳せき髄液に造影剤を入れないかと思い記載しましたが、『頭側に造影剤が流れるか?』疑問でした。答えを見た後だと、循環しているわけですから脳室方向以外には流れても問題ないと考えなおしました。ずっと出題の流れもちょっと関連して系統的で面白いです(いまさらですが)。ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
>循環しているわけですから脳室方向以外には流れても問題ないと考えなおしました。
おっしゃる通りですね。
>ずっと出題の流れもちょっと関連して系統的で面白いです(いまさらですが)。ありがとうございました。
そうでないところもありますが、系統的に出題できるところはそのようにしています。
ありがとうございます。
ミエログラフィをよく行う病院だったので見慣れた画像でしたが、初めてのときは誰しもドキッとしていた症例でした。
ミエロは「腰椎穿刺部から造影剤注入 → 頭低位で頸部まで流す」ため、脳槽まで造影されるようです。
私の疑問に答えてくれたように思いありがたく思います。理解が深まりました。
アウトプットありがとうございます。
>初めてのときは誰しもドキッとしていた症例でした。
ですね(^^)
>ミエロは「腰椎穿刺部から造影剤注入 → 頭低位で頸部まで流す」ため、脳槽まで造影されるようです。
補足いただきありがとうございます。
一見びっくりしますが、造影効果が強いのでわかりました
アウトプットありがとうございます。
ですよね。
強すぎるのでpseudo-SAHとするまでもないくらいですね。
SAHと分からないくらいの絶妙な濃度の症例があればよかったのですが・・・。
当方が勤務する病院ではMRIでのミエログラフィはあるのですが、CTでも行うとは正直知りませんでした。それでも、検査目的がスクリーニングだし、頭部や脳の構造に異常がないし・・・。あとは、他の方が言及するようにクモ膜下出血にしては濃度が不自然だし、側脳室の背側から脊髄の方向に何かが流れているとしたら・・・。ここまで考えを組み立てた上で◯ーグル先生に確認し(笑)、正解に辿り着けました。画像診断は知識と論理的思考が不可欠なのだなあと考えさせられた症例でした。貴重な症例、ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
>当方が勤務する病院ではMRIでのミエログラフィはあるのですが、CTでも行うとは正直知りませんでした。
そうなんですね。逆にうちは、CTではミエログラフィをしますが、MRIでは造影剤を用いたミエログラフィはされていません(^_^;)
>ここまで考えを組み立てた上で◯ーグル先生に確認し(笑)、正解に辿り着けました。画像診断は知識と論理的思考が不可欠なのだなあと考えさせられた症例でした。
見たことがあれば一発ですが、見たことがなければ見たことがある知識を繋げて思考するしかないですね。
脳外科にコンサルトすることなく正解おめでとうございます。