【頭部】TIPS症例44

【頭部】TIPS症例44

【症例】70歳代 女性

スクリーニング

画像はこちら

左の小脳橋角部に腫瘍があるのではないかと言われましたがどうですか?

確かに左の小脳橋角部にやや高吸収な腫瘤があるようにも見えますが、右にも同じような高吸収な構造があります。

1スライス上方では左右対称なやや高吸収な構造があります。

逆に1スライス下方では、正常な小脳半球となっており、先ほどの構造ははっきりしません。

本当に腫瘍でしょうか?

実はこれは腫瘍ではなく、小脳半球の一部で、後四角小脳と呼ばれる部位です。

 

診断:後四角小脳(正常構造)であり、腫瘍はない。

 

この症例はMRIが撮影されていませんので、別の症例で見てみましょう。

参考症例 50歳代女性

CISS画像から見てみましょう。

両側小脳橋角部において小脳半球と連続する突出を認めています。

これが、後四角小脳です。

その目で見てみるとT2WIでも確認できます。

再びCISS画像で、小脳と延髄の間にも突出があることが分かります。

こちらが小脳片葉です。

こちらもその目で見るとT2WIでも同定することができます。

この症例も症例43で見たように、内耳道をよく観察すると腫瘤があることがわかります。

T2WIでも指摘可能です。

聴神経腫瘍を疑う所見です。

なお、この症例では造影もされています。

造影前後を比べると、腫瘤がよく造影されていることが分かります。

聴神経腫瘍に典型的です。

 

関連:

【頭部】TIPS症例44の動画解説


お疲れ様でした。

今日は以上です。

今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。