COVID-19肺炎の画像診断 症例8

【症例】80歳代男性
【主訴】発熱
【現病歴】3日前より発熱あり、本日より咳、痰、下痢あり。
【既往歴】Af、甲状腺機能低下症
【身体所見】BT 37.7℃、BP 127/61mmHg、HR 65、SpO2 97%(RA)
【データ】WBC 4800、CRP 0.85

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初回

3日後

7日後

15日後

まず初回のCTから見ていきましょう。

右優位に両側上葉背側末梢にすりガラス影〜コンソリデーションを認めています。

陰影はわずかですが、右上葉では非区域性に広がるすりガラス影であり、COVID-19肺炎を疑う所見です。

PCR検査で陽性と診断されました。

次に3日後のCTです。

両側上葉背側末梢のすりガラス影は非区域性に範囲が広がっていることがわかります。

また両側下葉や中葉舌区にもすりガラス影の出現を認めており、初回よりもかなり陰影の範囲が広がっていることが分かります。

典型的なCOVID-19肺炎の経過です。

次に7日後のCTです。

両側上葉背側末梢のすりガラス影はさらに広がっています。

また3日後のCTよりも若干線状影が目立っており、すりガラス影よりはcrazy paving pattern寄りの陰影となっています。

両側下葉や中葉舌区も同様です。

この辺りの呼吸苦が最も強く、酸素投与を必要としたと記載があります。

最後に15日後のCTです。

右上下葉のすりガラス影は非区域性に広がるコンソリデーションに置き換わっています。

またその他のすりガラス影は軽減しています。

両下葉は収縮しコンソリデーション、一部索状影に置き変わっています。

極期〜回復期の所見に矛盾しない所見です。

この後のCTは撮影されていませんが呼吸苦も消失し、退院となっており、より陰影は軽減していったことが推測されます。

 

診断:COVID-19肺炎の経過

 

関連:COVID-19肺炎のCT画像所見と経時的変化のポイント!

症例8の動画解説

お疲れ様でした。

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