【症例】30歳代男性
【主訴】発熱、呼吸困難感、腹痛、全身倦怠感
【現病歴】11日前より全身倦怠感あり。9日前にCOVID-19のPCR陽性。以降、療養施設に宿泊していた。本日より呼吸困難感、胃痛、全身倦怠感、38℃の発熱があり救急要請。来院前に下痢あり。
【既往歴】なし
【身体所見】両肺野にて肺音やや減弱、腹部:平坦、軟、圧痛なし。
【データ】WBC 6100、CRP 1.88
画像はこちら
両側上葉に円形〜類円形のすりガラス陰影が多発しています。
右下葉には非区域性に広がるコンソリデーション〜crazy paving patternを認めています。
左下葉にはやや索状影を認めており、治癒過程を見ていると考えられます。
診断:COVID-19肺炎(進行期〜極期)に矛盾しない所見。
関連:COVID-19肺炎のCT画像所見と経時的変化のポイント!
症例4の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
症例3のあとだとcrazy paving patternを認識できたように思います。目を養っていきます。ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
>crazy paving patternを認識できたように思います。
できたんかい(^_^;)
症例3のコメントを返した直後だったので、思わず突っ込んでしまいました。
できたなら良かったです(^^)
我々の病院の症例を観ていても,当初言われて様な下肺,背側優位な陰影は言わないケースが少なくないように思いますが,
いかがでしょうか.時相によるのでしょうか.
アウトプット&貴重な体験談ありがとうございます。
確かにその傾向にあるのかもしれませんが、当初よりも症状が出てからCTが撮影されているケースが多い様な気がします。
過去画像がなく、活動性病変が消退して索状影のみ認めるケースもあります。
今回の症例も上下葉で時相が異なると思います。
PCR陽性だけど無症状という人を撮影すると超初期の下葉背側優位という陰影が見られるのかもしれません。
続けての質問で申し訳ありません.. 当方は中規模病院の内科医です.血液透析患者さん,特に中2日空いた透析前で,発熱,COVID-19を疑って,CTを撮られる場合があります.大なり小なり,肺うっ血がありますので,COVID-19に典型的な区域姓を超えたGGO等でなく,PCRも陰性であれば,鑑別に悩み,その後の管理体制(一旦,隔離で透析する云々)に困ることが少なくありません.何か,アドバイスをいただければ幸いです.
アウトプットありがとうございます。
>大なり小なり,肺うっ血がありますので,COVID-19に典型的な区域姓を超えたGGO等でなく
具体的にどういう陰影が見られるのでしょうか?
肺うっ血像に加えてすりガラス影が末梢に見られるということでしょうか?
質問文が良くなかったです,申し訳ありません.先生が言われるように「末梢のすりガラス陰影も加わっている」また今回の症例のような「非区域性に広がるcrazy paving patternにも見えなくない」像があって,皆が悩むケケースです.PCR検査も1回の陰性ではCOVID-19ではないと断定できす,一旦,工面して隔離透析,後日経過をみれば,透析による除水で消失した陰影という事例がしばしばありましたので質問させていただきました.結局は,通常のドライウエイト(DW)の確認のために撮っている胸部X線(当院では隔月)では,「少し水が貯まっているのだろう,DWを修正しようかな」で片付けtていたのだろうと思われるケースです(結果的にはそれが正しい訳ですが).よろしくお願いします.
詳細ありがとうございます。
非常に悩ましいケースですね(^_^;)
CTを撮影したがために悩みが増えるわけですね。
撮影して肺水腫で説明がつかないすりガラス影を認めたならば、今はおっしゃる隔離透析をせざるを得ないですね。
待っていました!マリモサイン!!
先生が動画解説でも解説文章でも。余り「マリモ」「マリモ」と言わないのでちょっと拍子抜けでしたが、その方が上品なのかしら。
(お下劣が好きなおっちゃんでした。)
アウトプットありがとうございます。
>先生が動画解説でも解説文章でも。余り「マリモ」「マリモ」と言わないのでちょっと拍子抜けでしたが、その方が上品なのかしら。
1年前なら言っていたと思います(^_^;)
正式名称ならば連呼すると思いますが、1年経った今、ブームは去った感がありますね(違)
マリモも大事ですが、大事なのはマリモだけではなく、その分布や広がり方も重要ですね。
初歩的な質問ですいません。
区域性と非区域性の広がりがよくわかりません。
どのような形状をいうのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
こちらをご覧ください。
いつも勉強になっております。
下葉の方は索状影にあわせて、牽引性気管支拡張があるようにも見えるのですが、本症例では見られていないのでしょうか?
アウトプットありがとうございます。
右下葉で少し目立ち、気管支透亮像(air bronchogram)と表現してもいいと思いますが、牽引性気管支拡張とまではいかない所見と考えます。
いつも解説ありがとうございます。少し慣れてくることができました。伺いたいことなのですが、索状影の定義や画像について解説されているページ等があれば教えていただけますと幸いです。
アウトプットありがとうございます。
索状影、帯状影(band apacity):幅5mm以上の細い2cm以上の陰影を指す。
参考:困ったときの胸部の画像診断 P393
と記載があります。