【症例】70歳代女性
【主訴】発熱
【現病歴】4日前より筋肉痛や関節痛あり。昨日より倦怠感、発熱あり。本日も発熱あり、嘔吐あり。救急要請となる。
【既往歴】喘息
【身体所見】BT 37.0℃、SpO2 95%(RA)
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右上下葉末梢に不整なすりガラス影〜crazy paving patternの陰影を認めています。
胸膜直下は保たれているように見えるところと保たれていないように見えるところがあります。
右の上葉に円形〜類円形のすりガラス影を認めています。
これらの所見はCOVID-19肺炎の早期を疑う所見といえます。
診断:COVID-19肺炎(早期)に矛盾しない所見。
関連:COVID-19肺炎のCT画像所見と経時的変化のポイント!
症例2の解説動画
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
すりガラス影が多発していて、初期のcrazy paving patternの陰影も指摘されていました。
crazy paving patternの陰影は結構しっかりした陰影になったときに言うのかと思っていましたが、
すりガラス影に少し線状陰影がみられたら指摘していいのでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>crazy paving patternの陰影は結構しっかりした陰影になったときに言うのかと思っていましたが、
すりガラス影に少し線状陰影がみられたら指摘していいのでしょうか。
ここは難しいところですね。
すりガラス影→crazy paving pattern→コンソリデーション
と変化していくことが多いですが、それぞれの間にはどちらと言っても良いような状態もあります。今後もそのような症例がたくさん出てきます。
ですので、どちらで表現するかはお任せします。というか個人差があるところですね。
明瞭なcrazy paving patternのみ、crazy paving patternと表現しても良いと思います。
初歩的な質問で大変恐縮ですが、DADとcrazy-paving patternの定義をご教示いただけないでしょうか。よろしくお願いします。
アウトプットありがとうございます。
DAD(diffuse alveolar damage)は、日本語では「びまん性肺胞障害」の病理組織像ですが、こちらの
「ARDS 画像の理解に必要なびまん性肺胞傷害の病理学的特徴について」
というところに詳細な記載があります。
http://www.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/ajrs/002050502j.pdf
胸部救急で解説したものの一部を切り取りました。
こちらも参照ください。
またcrazy-paving patternについてはこちらをご覧ください。
いつも丁寧な説明ありがとうございます。コツコツ頑張っています。褒めて下さい笑笑
新型コロナ肺炎でシンスライスを作る意義は何でしょうか?
アウトプットありがとうございます。
>コツコツ頑張っています。褒めて下さい笑笑
症例9まで完走されたら褒めます(違)
>新型コロナ肺炎でシンスライスを作る意義は何でしょうか?
わずかなすりガラス影を見逃さないためです。