【症例】40歳代女性
【主訴】発熱
【現病歴】昨日より発熱あり。
【既往歴】腎盂腎炎
【身体所見】BP 120/89mmHg、P 111bpm、BT 38.6℃、SpO2 98%(RA)
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左上葉にすりガラス影を認めています。
一部血管の拡張を認めており、crazy paving patternのように見える部位もあります。
左下葉末梢に楕円形のすりガラス影を認めています。
胸膜直下は保たれているように見えます。
舌区末梢に円形のすりガラス影を認めています。
これらの所見はCOVID-19肺炎の早期を疑う所見といえます。
特に典型的なのが、左下葉末梢の楕円形のすりガラス影ですね。
診断:COVID-19肺炎(早期)に矛盾しない所見。
関連:COVID-19肺炎のCT画像所見と経時的変化のポイント!
症例1の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
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「マリモを探せ」の合い言葉?ですり円形のガラス影を探しました。複数の陰影を見つけました。
右肺で、下葉の胸膜に沿って結節~網状影が複数ありましたが、(22-29/166、111-120/329)
これらはCOVID-19肺炎らしくはなさそうですが、これらは有意な所見ではありませんか。
アウトプットありがとうございます。
>「マリモを探せ」の合い言葉?ですり円形のガラス影を探しました。複数の陰影を見つけました。
ありがとうございます(^_^;)
>右肺で、下葉の胸膜に沿って結節~網状影が複数ありましたが、(22-29/166、111-120/329)
これらはCOVID-19肺炎らしくはなさそうですが、これらは有意な所見ではありませんか。
こちらは有意ではないと思われます。
thin slice CTで 198/329 前後に、左下葉S8中枢縦隔近傍で淡いスリガラス濃度結節があるように思います。左舌区のものと比較し境界が若干不明確に思います。胸膜下末梢に出現しやすいCOVID-19肺炎像とは異なりますが、これは有意なものとしたほうがいいでしょうか?
余談ですけど、肺について所見を書くとき、特に過去との比較をするときに、どこまで細かく書くべきかいつも悩みます。細かく書けば書くほど主治医は読みにくく感じるだろうしキャプチャ画像を多くしてもシツコイ感じがするし。。。
アウトプットありがとうございます。
>thin slice CTで 198/329 前後に、左下葉S8中枢縦隔近傍で淡いスリガラス濃度結節があるように思います。左舌区のものと比較し境界が若干不明確に思います。胸膜下末梢に出現しやすいCOVID-19肺炎像とは異なりますが、これは有意なものとしたほうがいいでしょうか?
微妙ですね(^_^;)
肺靱帯周囲にすりガラス影を認めており、通常の暑さですと異常とは取らない様な所見ですが、thin sliceですと確かにすりガラス影を認めています。微妙ですがこちらも有意かもしれません。
関連
https://xn--o1qq22cjlllou16giuj.jp/archives/20461
>余談ですけど、肺について所見を書くとき、特に過去との比較をするときに、どこまで細かく書くべきかいつも悩みます。細かく書けば書くほど主治医は読みにくく感じるだろうしキャプチャ画像を多くしてもシツコイ感じがするし。。。
所見が多い場合は過去と比較して変化のある部位のみ、所見が少ない場合は一つ一つ所見を記載ですかね。
左下葉の帯状影(thin slice CT 200/329 前後)は回復過程の収縮を見ていると考えました。
COVID-19肺炎の画像を見ていると、すりガラス影と帯状影が混在する所見をよく見かけます。
アウトプットありがとうございます。
>左下葉の帯状影(thin slice CT 200/329 前後)は回復過程の収縮を見ていると考えました。
そうなのかもしれませんね。
>COVID-19肺炎の画像を見ていると、すりガラス影と帯状影が混在する所見をよく見かけます。
今後も出てきますが、同じ方でも時期が異なると思われる陰影が混在している(下葉ほど古い傾向にある)こともありますね。