【顔面】症例16

【症例】20歳代 男性
【主訴】頭部打撲
【現病歴】本日バイクに乗っていたところ、前に止まっていたトラックと接触し、転倒。救急搬送となる。
【身体所見】意識清明、瞳孔径3mm/3mm、対光反射+/+、右下顎部のしびれ、知覚低下あり。

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頭頸部のCTが撮影されています。

頭部CTでは頭蓋内出血や占拠性病変は認めていません。

骨条件の横断像を見てみましょう。

下顎骨の右側および、正中やや左側の2カ所に骨折線を認めています。

次に冠状断像で確認しましょう。

2カ所の骨折線は冠状断像でも確認でき、正中部やや左側(傍オトガイ部)の骨折は冠状断像でわかりやすいですね。

骨の転位は認めていません。

最後に3D再構成画像を見てみましょう。

3D再構成で骨折の全体像を確認できます。

前回見た下顎骨のどの部位に骨折を認めているでしょうか?

骨折部位は上行枝および歯槽突起からオトガイ結合部に及んでいることが分かりますね。

 

診断:下顎骨骨折(右側上行枝、傍オトガイ部(歯槽突起〜オトガイ結合部にかけて))

 

※形成外科で手術となりました。

なお、右側の上行枝については、骨折があると思われる部分の骨膜を剥離しても明らかな骨折線は同定できなかったとのことで固定はされていません。

 

【顔面】症例16の動画解説

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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