【顔面】症例7

【症例】30歳代 男性
【主訴】転倒
【現病歴】出張中。会席で飲酒後、転倒。顎と後頭部を受傷したため救急要請。
【身体所見】意識清明、Vitalに異常なし、右下顎に5cmの挫滅創、後頭部に2cm大のV字挫滅創

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今回は頭部CTのみ撮影されています。

頭蓋内出血や脳挫傷などを疑う所見は認めていません。

横断像の骨条件を見てみましょう。

上顎洞の前壁および外側壁に骨折線を認めています。

また右の上顎洞には液貯留を認めています。

また右頬骨弓に骨折線を認めています。

骨の転位は軽度でその内側にある咬筋の圧迫所見は認めていません。

右の眼窩外側壁の骨折線は前回の症例ほどはっきりしません。

ただし、左右を見比べると右の頬骨前頭縫合に離開があると推測されます。

3D再構成を見てみましょう。

頬骨と周囲の骨の縫合線を中心に骨折を認めており、頬骨上顎複合骨折(ZMC骨折)の状態です。

 

診断:右頬骨上顎複合骨折(ZMC骨折)

 

※実はこの方骨折に気づかれずに、骨折なしで帰宅されていました。骨条件を注意深く見ないと見落としてしまいますので、注意しましょう。保存的に加療されました。

 

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その他所見:

  • 左下顎骨関節突起に骨折線あり。

kenkenさんありがとうございます。

 

【顔面】症例7の動画解説

お疲れ様でした。

今日は以上です。

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