【胸部】TIPS症例56
【症例】60歳代 男性
スクリーニング
左下葉の結節は何と考えられる?
画像はこちら
左下葉に小結節を認めています。
通常のスライスでも多角形であることがわかりますが、thin sliceですと多角形の様子が明瞭です。
また多角形は肺静脈と連続性を認めていることが分かります。
このような特に下葉の胸膜下に多角形の結節を認めた場合に考えるべきは、肺内リンパ節です。
診断:肺内リンパ節疑い。
参考症例を2症例見てみましょう。
参考症例1 60歳代 男性
肺気腫が目立つ方ですが、同じように左肺底部に小結節を認めています。
thin sliceでよく見てみると、多角形で同様に肺静脈と辺縁が連続していることが分かります
これも肺内リンパ節を疑う所見です。
参考症例2 60歳代 男性
続いての症例は右の下葉末梢に、結節を認めていますが、thin sliceでよく見ると四角形のように見えます。
左の肺底部にも同様の所見を認めます。
また左の下葉には三角おむすびのように見える陰影を認めています。
また大葉間裂沿いの右下葉にも類円形の結節を認めています。連続する中葉には瘢痕を疑う索状影を認めています。
これらはいずれも肺内リンパ節を疑う所見です。
※この類円形の所見は炎症性瘢痕や肉芽腫などの可能性もありますが。
このように肺内リンパ節は多発することもありますので、注意が必要です。
【胸部】TIPS症例56の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
よく見る陰影で、肺内リンパ節だろうと思っていましたが、今回の講義を聞いて考えがまとまりました。ありがとうございます。
アウトプットありがとうございます。
考えがまとまったとのことでよかったです(^^)
正直私も今回症例を集めて考えがまとまったところがあります。
これは勉強になります。
リンパ節は普通は縦隔条件で見ると思いますが、
肺野条件で見えるということは、縦隔にあるリンパ節と成分が違うのでしょうか。
アウトプットありがとうございます。
>リンパ節は普通は縦隔条件で見ると思いますが、
肺野条件で見えるということは、縦隔にあるリンパ節と成分が違うのでしょうか。
サイズが小さいために縦隔条件で見えないのだと思います。
胸膜下、多角形の結節で肺内リンパ装置だろうと思っていても、レポートでは肺内リンパ装置や肉芽種などの良性病変として明言を避けてしまっています。。
今回のように部位や形状から明らかな場合は、肺内リンパ装置疑いとしても良いでしょうかね?
また、(肺転移以外に)これら肺内リンパ装置と肉芽種とを鑑別する必要はありますでしょうか?(必要性は低いと思っているので、まとめて良性病変としてしまってるのですが。。)
教えていただけたら幸いです。よろしくお願いします。
アウトプットありがとうございます。
>胸膜下、多角形の結節で肺内リンパ装置だろうと思っていても、レポートでは肺内リンパ装置や肉芽種などの良性病変として明言を避けてしまっています。
明らかに多角形で下葉などの胸膜下にある場合は、肺内リンパ節疑いで良いと思いますが、肺内リンパ節って何ってPHSがかかってくることを考えれば、まとめて良性病変でいいと思います。
>また、(肺転移以外に)これら肺内リンパ装置と肉芽種とを鑑別する必要はありますでしょうか?(必要性は低いと思っているので、まとめて良性病変としてしまってるのですが。。)
おっしゃるように必要性は低いのでまとめて良性病変でよいと思います。
肺結節への静脈の関与は区域をまたがることを示唆し悪性を疑う。と言ったことと逆のお話で、多角形は小葉間隔壁の形(で良いですよね)でリンパ節で良いのでしょうが、円形も良性の可能性が高いでも良いでしょうか?提示いただいた症例のいずれも1度はフォローすべきでしょうか?ありがとうございます。
アウトプットありがとうございます。
>円形も良性の可能性が高いでも良いでしょうか?提示いただいた症例のいずれも1度はフォローすべきでしょうか?ありがとうございます。
充実性の結節の場合は、6mm以上のものはひっかけて精査に回す必要がありますが、小さなもので良性が疑われるものはフォローの必要もないとされています。
ただし、過去画像がない場合は1度はフォローしても良いかも知れません。
実際フォローされることが多い気がします。
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