【胸部】TIPS症例42
【症例】70歳代男性
スクリーニング
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どんな副葉間裂がありますか?
右下葉にS7とそれ以外の下葉を分ける間裂を認めています。
副葉間裂の一つであり、下副葉間裂を疑う所見です。
また左上葉にも間裂を認めており、上区と舌区を分ける左上葉間裂を疑う所見です。
これらの副葉間裂はレントゲンで以下のラインとして認められることが知られています。
今回は、右の下副葉間裂と左上葉間裂をCTで認めていますので、②と④が見えてほしいですが・・・
なかなか現実は厳しいですね。左上葉間裂は矢印(→)のものかもしれませんが、とてもその目で見ても指摘できません(^_^;)
また右の上葉と中葉を分ける小葉間裂は追っていくと途中で同定できなくなります。
これを分葉不全といいます。
診断:下副葉間裂、左上葉間裂
関連:副葉間裂(accessory fissure)とは?画像所見のポイントは?
その他所見:
- 肺気腫(小葉中心性+傍隔壁型)あり。
- 縦隔に小リンパ節散見。
- 肝嚢胞あり。
- 背部皮下に粉瘤の疑い。
【胸部】TIPS症例42の動画解説
肺葉の正常解剖の動画解説
お疲れ様でした。
今日は以上です。
今回の気づきや感想などを下のコメント欄にお願いします。
解剖だと50%もいるんですね。
画像で見えないケースも多そうですが、イメージしておかないと病変の広がり方の辻褄が合わないことがありそうです。知っておかないといけないことですね。
アウトプットありがとうございます。
そうなんです。思っていたよりも遙かに頻度は高いようです。
前回の奇静脈葉は割と所見でも指摘されているのですが、それ以外はあまり指摘されていないことが、過去の所見を見直してわかりました。
別の副葉間裂の症例ありがとうございます。事前の勉強が役立ちました^^
ところで、thin sliceは問題にないのですが…解答で表示する予定だったのでしょうか? 厚いスライスでは、左上葉間裂を指摘するのは難しかったです。
アウトプットありがとうございます。
>ところで、thin sliceは問題にないのですが…解答で表示する予定だったのでしょうか? 厚いスライスでは、左上葉間裂を指摘するのは難しかったです。
解答で表示の予定でした。
>左上葉間裂を指摘するのは難しかったです。
確かに厳しいですね(^_^;)
厚いスライスでは、下副葉間裂だけ指摘できたら大丈夫です。
多分探したらたくさんあるのでしょうけど、なかなかthin sliceを色々見て副葉間裂を探しに行こうとは普通はならないかもしれませんね。
奇静脈間裂(0.5-0.7%)が最初に来たんですね(*^_^*)。分葉不全は手術の仕方も変わるようですね。今まで分葉不全を知らなかったので葉間胸膜を追いかけるとき(放射線治療で葉を塗り分けて極力照射しないようにしたりします)『葉間胸膜が消えるなー。でもそんなわけないしなー』と思ったことがあったのですがそういうことだったんですね。これからはないものはないと考えます。ありがとうございました。
アウトプットありがとうございます。
>葉間胸膜を追いかけるとき(放射線治療で葉を塗り分けて極力照射しないようにしたりします)
そうなんですね。そんなことをされるのですね。参考になります。
>『葉間胸膜が消えるなー。でもそんなわけないしなー』と思ったことがあったのですがそういうことだったんですね。これからはないものはないと考えます。
それならば今回の症例は参考になりましたね!
thin sliceで確認しても追えない場合は、癒合している分葉不全と考えましょう。
肺炎や癌の進展にも影響するのですね。
これまではあまり葉間について勉強してもなと思ってましたが勉強になりました
アウトプットありがとうございます。
>肺炎や癌の進展にも影響するのですね。
そうですね。普通は葉間を超えませんので、超えている場合は、分葉不全があるのでは?と推測できることが重要ですね。
いつも勉強を助けてくださりありがとうございます。また昨日は6月以降の企画について前向きにご検討くださりありがとうございます。救急画像診断楽しみにしています。
重い腰を上げてくださりありがとうございました。企画を考えるのも大変だと存じます。なので実際に私がやりたい企画案をお伝えします。一案として少しでもごろ〜先生のお役に立てたら嬉しいです。
企画案「肺区域同定ブートキャンプ」隔日配信で1ヶ月間で左右の肺区域や区域気管支や動脈をCTで同定できるようになるブートキャンプ。専門医であるごろ〜先生が解説動画を配信。やり切った後はCTを見た時に自然と肺区域を同定できるようになっている事請負い。みたいな企画が有ったら是非やりたいです。
コメントありがとうございます。
>重い腰を上げてくださりありがとうございました。
う、、まだ腰は持ち上がっていません(^_^;)
で、でもやりますよ。
>企画案「肺区域同定ブートキャンプ」隔日配信で1ヶ月間で左右の肺区域や区域気管支や動脈をCTで同定できるようになるブートキャンプ。
いいですね(^^)
解剖系は繰り返しが大事ですからね。
すぐには無理ですが、また今後作ってみたいと思います。
ちょっと今は、別のコンテンツを作っております。
こんばんは。
いつもご解説ありがとうございます。
なんとなくの位置関係で葉間裂を同定しようとしていましたが、葉間裂の同定は区域気管支をもとに行うとより自信を持って答えられますね!
考えてみたら当たり前のことですが、やっておりませんでした…
次からはそういう視点をもって読影しなければ!と思いました。
一症例でいくつも所見が指摘できる勉強になる症例でした。
ブートキャンプ企画、シロクマ先生の案もとても魅力的ですね!
アウトプットありがとうございます。
>なんとなくの位置関係で葉間裂を同定しようとしていましたが、葉間裂の同定は区域気管支をもとに行うとより自信を持って答えられますね!
そうですね。区域気管支を追うことで同定できますね。
>ブートキャンプ企画、シロクマ先生の案もとても魅力的ですね!
りょ、了解です(^_^;)
どの講座をいつやるかなど、お一人から「やって欲しい」メールをもらって決断することもあります。
肺区域同定ブートキャンプ・・・・考えます。
いろんな副葉間膜がありますね。レントゲン写真で接線方向にならないとうまく指摘できないのでしょうね。さらに分葉不全についても初めて知りました。知らないと見えてこないものですね。
肺区域同定ブートキャンプ、いいですね。
アウトプットありがとうございます。
>いろんな副葉間膜がありますね。レントゲン写真で接線方向にならないとうまく指摘できないのでしょうね。
そうなんです。実はいろんな副葉間裂があり、しかも結構頻度が高いと私も知りまして、日常臨床でかなりスルーしているのだろうなと思いました。
肺野の読影では、肺結節の有無、肺炎の有無をメインに読影しますので間裂まではその目で見ないとなかなか見ないですね。
>肺区域同定ブートキャンプ、いいですね。
う。。。(^_^;)
ま、また考えます。