先に結論:副葉間裂は心配のない正常変異
- 肺には右に2本(大葉間裂・小葉間裂)、左に1本(大葉間裂)の裂がありますが、それ以外の余分な裂(副葉間裂)が見られることがあり、下副葉間裂・上副葉間裂・左小葉間裂・奇静脈裂などがあります
- 多くは病気ではありませんが、胸部レントゲン・CTで線状影を病変と間違えないこと、肺炎の広がり方や胸水のたまり方(腫瘤のように見える)に影響することを知っておくことが大切です
副葉間裂(accessory fissure)とは
- 本来右肺は大葉間裂と小葉間裂、左肺は大葉間裂によってそれぞれ3葉、2葉に分けられている。
- これ以外に肺葉に間裂を認めることがあり、これを副葉間裂と呼ぶ。
- 薄いスライスのCTでは約4割に副葉間裂がみられ(Cronin 2010: 40%、Ozmen 2010: 42.4%)、その頻度は解剖での報告と同程度とされる。ただし胸部レントゲンで指摘できるものは限られる。
- 臨床的意義は一般的にないことが多いが、病変の進展が妨げられたり、胸水が貯留すると腫瘤状の形態を示すため、その存在は常に意識する必要がある。
副葉間裂の種類は?
- 奇静脈裂(azygos fissure)
- 下副葉間裂:S7とその他の区域を分ける。右に多い。
- 上副葉間裂:S6と肺底部を分ける。
- 左小葉間裂(left minor fissure):左上区と舌区を分ける。
- 右S4とS5を分ける副葉間裂。
- 左S4とS5を分ける副葉間裂。
などが知られている。
最も有名なのが奇静脈葉だが、頻度はそれほど多くない。
HRCTでは、下副葉間裂>左小葉間裂>上副葉間裂>奇静脈裂の順に多いと報告されている。HRCT 186例の検討では32%に副葉間裂がみられ、下副葉間裂21%(40例中38例が右)、左小葉間裂9%、右上副葉間裂1%、奇静脈裂0.5%であった(Ariyürek 2001)。1.25mm厚の連続MDCT 150例では40%に副葉間裂があり、最も多かったのは左小葉間裂(16%)であった(Cronin 2010)。
副葉間裂のレントゲン所見は?

副葉間裂は胸部X線で上のように見える(ことがある)と報告されている。
個人的には奇静脈間裂以外はなかなかここまで同定するのは厳しいのではないかと思っています。
CTのthin sliceを観察すればこのような副葉間裂を認めることがしばしばあります。
症例 50歳代女性 スクリーニング

右下葉にS7とそれ以外を分ける下副葉間裂を認めています。
関連記事:肺葉及び肺区域の解剖は?胸部CTやレントゲン読影の基礎!
あわせて読みたい:胸部レントゲン側面像の見方
参考文献:
画像診断 Vol.31 No.5 2011 P404-405
臨床画像 Vol.29 No.9 2013 P1047
胸部レントゲンを読みたいあなたへ P50
X線解剖と異常影の知識 P25
- Godwin JD, Tarver RD. Accessory fissures of the lung. AJR Am J Roentgenol. 1985;144(1):39-47. PubMed
- Ariyürek OM, Gülsün M, Demirkazik FB. Accessory fissures of the lung: evaluation by high-resolution computed tomography. Eur Radiol. 2001;11(12):2449-53. PubMed
- Cronin P, Gross BH, Kelly AM, et al. Normal and accessory fissures of the lung: evaluation with contiguous volumetric thin-section multidetector CT. Eur J Radiol. 2010;75(2):e1-8. PubMed
- Ozmen CA, Nazaroglu H, Bayrak AH, et al. Evaluation of interlobar and accessory pulmonary fissures on 64-row MDCT. Clin Anat. 2010;23(5):552-8. PubMed
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