副葉間裂(accessory fissure)とは
- 本来右肺は大葉間裂と小葉間裂、左肺は大葉間裂によってそれぞれ3葉、2葉に分けられている。
- これ以外に肺葉に間裂を認めることがあり、これを副葉間裂と呼ぶ。
- 解剖すると50%以上の頻度で認められるとされるが、画像で確認できる頻度はそれほど高くない。
- 臨床的意義は一般的にないことが多いが、病変の進展が妨げられたり、胸水が貯留すると腫瘤状の形態を示すため、その存在は常に意識する必要がある。
副葉間裂の種類は?
- 奇静脈裂(asygos fissure)
- 下副葉間裂:S7とその他の区域を分ける。右に多い。
- 上副葉間裂:S6と肺底部を分ける。右に多い。
- 左上葉間裂:左上区と舌区を分ける。
- 右S4とS5を分ける副葉間裂。
- 左S4とS5を分ける副葉間裂。
などが知られている。
最も有名なのが奇静脈葉だが、頻度はそれほど多くない。
HRCTでの頻度は、上副葉間裂(12-21%)>左上葉(小葉)間裂(8-16%)>下副葉間裂(1-6%)>奇静脈間裂(0.5-0.7%)の頻度で認めると報告されている。
副葉間裂のレントゲン所見は?
副葉間裂は胸部X線で上のように見える(ことがある)と報告されている。
個人的には奇静脈間裂以外はなかなかここまで同定するのは厳しいのではないかと思っています。
CTのthin sliceを観察すればこのような副葉間裂を認めることがたまにあります。
症例 50歳代女性 スクリーニング
右下葉にS7とそれ以外を分ける下副葉間裂を認めています。
関連記事:肺葉及び肺区域の解剖は?胸部CTやレントゲン読影の基礎!
参考文献:
画像診断 Vol.31 No.5 2011 P404-405
臨床画像 Vol.29 No.9 2013 P1047
胸部レントゲンを読みたいあなたへ P50
X線解剖と異常影の知識 P25