肺結核は多くは二次性結核という形で発症します。

CT画像検査では、気管支肺炎のパターンを示し、

  • 粒が小さく明瞭な小葉中心性の粒状影
  • tree-in-bud appearance

という形で見えることが多いとされます。さらに排菌と強く関与する

  • 空洞形成

も肺結核のレントゲンやCT画像検査では重要です。

これらの所見を認めた場合に「結核かもしれない」と思えることが重要です。

そこで今回は、実際の肺結核のCT画像を見ながらどの辺が結核の特徴なのかを目に焼き付けていただきたく、結核のCT画像を集めました。

目に焼き付けたい肺結核のCT画像集

小葉中心性粒状影・tree-in-bud appearance

まずは、小葉中心性粒状影・tree-in-bud appearanceが目立つ症例から見ていきましょう。

症例1 40歳代  男性

右肺S2に浸潤影及び周囲に小葉中心性の粒状影を認めています。

この際に、所見が軽微なところに着目するのがポイントです。

粒の小さな小葉中心性の分布を示し、tree-in-bud appearanceも見える。

 

上の図のように所見が軽微なところに着目すると粒の小さな小葉中心性の分布を示し、tree-in-bud appearanceも見えますね。

 

症例2 40歳代 男性

続いて2症例目です。

先ほどの症例と同じように右上葉にtree-in-bud appearance及び小葉中心性の粒状影を認めています。

その様子はサルコイドーシスで認められることがあるGallaxy sign様でもあり、先ほどの症例よりより細かいですね。

症例3 80歳代  男性

続いて3症例目です。

この症例も、粒の小さな小葉中心性の分布を示し、一部tree-in-bud appearanceを認めています。

末梢では、すりガラス影からコンソリデーションを認めており、結核性肺炎を疑う所見です。

空洞性病変

基本は小葉中心性の粒状影です。

続いて、排菌と関与がある空洞性病変を示す症例を見ていきましょう。

症例4 30歳代 女性

両側上葉、右下葉S6に空洞性病変を認めています。

上で認めたような粒の小さな小葉中心性の粒状影やtree-in-bud appearanceは認められません。

こういった所見からTbの可能性を鑑別に挙げて抗酸菌の検査をすることが重要ですね。

PCRにてTbと診断されました。

症例5 40歳代 男性

粒の小さな小葉中心性の分布を示し、一部tree-in-bud appearanceを認めており、Tbを疑う所見です。

この症例ではさらに、air bronchogramを呈するコンソリデーションを認めており、その内部や外部にも複数空洞性病変を認めています。

結核性肺炎を疑う所見です。

症例6 50歳代 男性

この症例も粒の小さな小葉中心性の分布を示し、一部tree-in-bud appearanceを認めており、結核を疑う所見です。

上の症例と同じように、壁の厚い空洞性病変を左肺下葉のS6に認めています。

症例7 30歳代 女性

この症例は、所見が他の症例もりも非常に強いですね。

やや他の症例よりも粒の大きめな小葉中心性の結節を特に左肺ではびまん性に認めており、一部randam patternを認めています。ですので粟粒結核もあると考えられます。

この症例が特徴なのは右優位に認める粗大な空洞性病変ですね。

最後に

今回は実際に肺結核と診断された症例を集めました。

免疫状態によっても多彩な所見を示すことがある肺結核ですが、まずは基本となる特徴的な画像を目に焼き付けることが重要です。

ぜひ診療に役立てて頂ければ幸いです。

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