多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with polyangitis(GPA))
・全身性血管炎症候群として3つで特徴づけられる。
- 鼻、耳、眼、上気道(E)および肺(L)の壊死性肉芽腫性血管炎。
- 腎(K)の巣状分節性壊死性糸球体腎炎
- 全身の中・小型動脈の壊死性血管炎
・病理形態学的な特徴として、上気道・肺・全身の血管の壊死性肉芽腫性病変を認める。
・発症機序にC-ANCA(PR3-ANCA)が高率に関与する。
・Wegener肉芽腫症と呼ばれていたが、2011年4月に多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with polyangitis(GPA))に変更された。
・好発年齢は30〜50歳。
・性差なし。
・初発症状は上気道(E)の症状の出現が90%と多い。鼻出血、膿性鼻汁、中耳炎など。
・肺症状(L)は80%。咳嗽、血痰、胸痛、呼吸困難など。
・気道病変は必発で、上気道では鼻、副鼻腔、鼻咽腔に壊死性肉芽腫性病変を生じ、悪臭を伴う膿性鼻漏、鼻出血、鼻閉などの症状をきたすが、初期には緩やかな非特異的炎症性変化を示す。
・全経過を通じて70〜80%で腎炎(K)を来す。
・鼻中隔穿孔、副鼻腔炎を認めることが多い。鼻中隔穿孔をきたすとこれに伴う外鼻の変形(鞍鼻)を認めることもある。
・慢性期では長期の炎症を反映して副鼻腔の骨壁が肥厚し、内腔の狭小化を呈することがある。
・眼窩内にもT2強調像で低信号を示す腫瘤形成・浸潤性病変を合併することがある
・WGの炎症のfocusの同定には造影CTでは不十分でPET/CTが有用である。
・PET/CTでの集積上昇は生検する上でも有用。