カルチノイド

  • 神経内分泌腫瘍(NET)に分類され、一般的にlow grade malignancyとされる。
  • 高悪性度のものは内分泌細胞癌(neuroendocrine carcinoma:NEC)とされている。
  • 消化管をはじめ、肺、気管支、膵、精巣、卵巣などほぼすべての臓器に発生しうる。
  • 前腸系(胃、十二指腸)、中腸系(空・回腸、虫垂)、後腸系(S状結腸、直腸)に分類される。
  • 前腸由来→紅潮、気管支収縮を引き起こすヒスタミン様物質を分泌。
  • 中腸由来→銀親和性を示しセロトニン分泌により、チアノーゼ、下痢、低血圧、皮膚症状といった、いわゆるカルチノイド症候群を引き起こすことがあるが、頻度は10%以下。
  • 後腸由来→同症候群を誘発する物質は分泌しない。
  • 尿中5-HIAA値上昇、免疫染色におけるchromogranin A陽性所見が見られる。
  • 出現頻度は、直腸(36%)、、胃(27%)、十二指腸(15%)、虫垂、小腸、結腸の順。
  • カルチノイドは粘膜深層部の内分泌細胞から発生。当初は粘膜下腫瘍様の形態を取るが、増大するにつれて、頂部にびらんや潰瘍を形成し、上皮性の様相を呈する。
  • 発見される多くのカルチノイドは無症状で、内視鏡などで偶然に発見されるものが多い。
  • 低悪性度ながらリンパ節転移や肝転移のリスクがあり、その後も緩徐な経過をとることがあり、長期に経過を追う必要がある。

カルチノイド画像所見

▶CT所見

  • 他の部位の内分泌腫瘍と同様に比較的良好な造影効果を有する。
  • カルチノイドを疑う場合には、動脈相が有用

 

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