直腸カルチノイドとは?
・カルチノイドの好発部位は、直腸と胃。ついで十二指腸。
・カルチノイドは粘膜深層部から発生する。主として粘膜下層に浸潤するので黄白色の粘膜下腫瘍の形態をとることが多い。
・主訴は下血が多い。
・好発年齢は40~50歳代の男性。
・検査は、消化管造影、内視鏡、血中5-HT(セロトニン)・尿中5-HIAAの上昇。他のカルチノイドでは好銀反応+だが、直腸カルチノイドでは、好銀反応、argentaffin反応、セロトニン産生が全て(-)。
・形態は広基性で、大きさは1cm以下の場合が多く、2cmを超える場合は悪性化を疑う必要がある。
・治療は基本的には切除を行う。最大径1cm以下で、固有筋層に浸潤していない場合には内視鏡的治療の適応。
・したがって、超音波検査によって腫瘍のサイズ、第3層(粘膜下層)の断裂の有無を判定することは治療方針の決定に必須である。
症例 40 歳代の男性。健診の注腸 X 線検査。
(放射線科診断専門医試験問題2010年45番より引用)
注腸透視で直腸壁に境界明瞭辺縁平滑な隆起性病変あり。内視鏡では中心に陥凹を認めている。エコーにおいて、粘膜下層までで筋層には至っていない。カルチノイドを疑う所見。
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