先に結論:尿管の3つの生理的狭窄部と腎尿管区分(R1〜U3)
尿管結石は、腎臓でできた石が尿管に下りてきて、尿管がもともと狭くなっている3か所で詰まりやすくなります。
| 生理的狭窄部 | 場所 |
|---|---|
| 腎盂尿管移行部 | 腎盂から尿管に移るところ |
| 総腸骨動脈との交差部 | 骨盤の入り口で尿管が血管の前を越えるところ |
| 尿管膀胱移行部 | 尿管が膀胱の壁に入るところ |
| 区分 | 結石の場所 |
|---|---|
| R1・R2・R3 | 腎実質内・腎盂腎杯・腎盂尿管移行部 |
| U1 | 上部尿管(骨盤の骨にかかるより上) |
| U2 | 中部尿管(骨盤の骨=仙腸関節に重なる部分) |
| U3 | 下部尿管(それより下〜膀胱) |
実際に結石が詰まる場所は下部尿管(U3)が最も多く(53%)、次いで上部尿管(U1)(34%)で、総腸骨動脈と交わる中部尿管(U2)は3%と少数でした(El-Barky 2014)。
結石の診断は単純CTが最も確実(感度96%・特異度94%)で(Dahm 2022)、レントゲンに写らない尿酸結石なども見つかります。痛みのやわらげ方は尿管結石の痛み止めと痛みをやわらげる方法をどうぞ。
尿路結石

- 尿路(腎、尿管、膀胱、尿道)にできた結石。
- 腎結石は存在部位により腎盂結石、腎杯結石、腎実質結石と呼ばれる。
- 男性に多い。
- 尿管結石は腎結石が尿管内に下降したもの。
- 結石の成分はシュウ酸カルシウムが最多(77.5%)で、リン酸カルシウム8.7%、感染結石7.6%、尿酸結石5.3%、シスチン結石0.9%でした(中国の1520例、Zhang 2021)。
- 尿管の生理的狭窄部である腎盂尿管移行部、総腸骨動脈交差部、尿管膀胱移行部の3カ所で嵌頓しやすい。
- 腎結石ではほとんど痛みがないかあっても軽度であるが、尿管の生理的狭窄部位などで嵌頓すると、腎疝痛と呼ばれる激烈な側腹部痛、背部痛を生じ、時に嘔吐を伴う。血尿はほとんどの症例で見られる(尿路結石798例で94.0%)(Kim 2018)。強い痛みや発熱があるときは、早めに医療機関を受診する。
- 単腎患者または両側性に結石嵌頓を生じた場合は無尿となり、腎後性腎不全を生じることがある。
- 欧米では尿路結石に対する画像診断は、単純ヘリカルCTが最優先で施行されている。
- 尿路結石検出における単純CTの感度は97%、特異度は96%、正診率は97%と報告されている(Smith 1996)。被ばく低減のため低線量CT(検査全体で3mSv未満)も用いられ、メタ解析(7研究、1,061例)では低線量CTの感度96.6%・特異度94.9%で、初回の画像検査として使える成績であった。
腎尿管区分
- 尿路は上部尿路(腎臓・尿管)と下部尿路(膀胱・尿道)に分けられる。
- 上部尿路結石が大部分を占める。

上部尿路はさらに
- 腎実質内結石(R1)
- 腎盂腎杯結石(R2)
- 腎盂尿管移行部結石(R3)
- 上部尿管結石(U1)
- 中部尿管結石(U2)
- 下部尿管結石(U3)
と分けられる。
- 中部尿管(U2)は骨盤骨にかかっている部分で、それより上側が上部尿管(U1)、下側膀胱までが下部尿管(U3)となる。
- 腎盂尿管移行部結石(R3)と上部尿管結石(U1)はしばしば画像で判別困難であり、その場合はR3もしくはU1と記載すれば良い。
生理的狭窄部と、実際に結石が詰まる場所
教科書的には3つの生理的狭窄部で詰まりやすいとされますが、手術が必要になった尿管結石300例をCTで調べた研究では、実際の分布は次のようでした(El-Barky 2014)。
| 場所 | 割合 |
|---|---|
| 下部尿管(下1/3、U3に相当) | 53%(坐骨棘より少し上に多い) |
| 上部尿管(上1/3、U1に相当) | 34%(L3〜L4椎体の高さに多い) |
| 腎盂尿管移行部(R3) | 10% |
| 中部尿管(中1/3、U2に相当) | 3% |
総腸骨動脈との交差部(U2)には明らかな集まりがなく、下部尿管では尿管膀胱移行部より少し手前に多く見られました(El-Barky 2014)。
また、場所によって自然に出る(自然排石の)割合が異なり、上部尿管48%、中部尿管60%、下部尿管75%、尿管膀胱移行部79%と、膀胱に近いほど出やすくなります(Coll 2002)。
CTでの尿管の追い方
単純CTで尿管を追うときは、次の順に下へたどると迷いにくくなります。
- 腎盂から出た尿管を、大腰筋の前面に沿って下へ追う(上部尿管)
- 骨盤の入り口で総腸骨動脈(またはその分岐部)の前を越えるところを確認する(中部尿管)
- 骨盤の側壁に沿って下り、膀胱の後ろ外側から膀胱壁に入るところ(尿管膀胱移行部)まで追う(下部尿管)
水腎症があれば、拡張した尿管が急に細くなる場所を探すと結石が見つけやすくなります。骨盤内の静脈石とは、下に述べるsoft tissue rim signやcomet signで見分けます。
関連記事:尿管の区分の解剖とCT画像所見のポイント
尿路結石のCT所見
- X線陰性結石(尿酸結石、キサンチン結石など。シスチン結石は淡く写ることが多い)もCTでは高吸収を呈する。単純CTの感度96%・特異度94%(メタ解析、Dahm 2022)。
- レントゲンでは見落とされる尿管結石が少なくない。しかしCTならほぼ確実にわかる。
- CTで見えない結石としてはHIV感染症治療薬のインジナビルによる尿路結石があり、CTでも確実には同定できない(12例のCTで診断できた例はなかった)(Schwartz 1999)。
- 尿路結石の多くはカルシウムを含む結石である(シュウ酸カルシウム77.5%、リン酸カルシウム8.7%)(Zhang 2021)。
- 静脈石や動脈の石灰化との鑑別が問題になる。この場合には、尿路閉塞の二次所見が役立つ。
- 閉塞性尿管結石では
- 腎杯、腎盂、尿管の拡張
- 浮腫による腎周囲脂肪の濃度上昇(perinephric stranding)、液体貯留(perinephric fluid collection)
- 腎腫大
が手がかりになる。単純CTでの感度は、尿管の拡張90%、腎周囲脂肪の濃度上昇82%、腎盂腎杯の拡張83%、腎腫大71%と報告されている(Smith 1996)。

- 尿路閉塞の二次所見以外で、尿管結石と静脈石の鑑別に役立つ所見として、soft tissue rim sign,comet signがある。

- soft tissue rim signは結石周囲にリング状の軟部組織濃度が認められる所見で、限局性尿管浮腫を反映している。尿管結石の50〜77%に認められる。
- comet signは静脈石と連続する索状の軟部組織陰影で、静脈の非石灰化部に相当するとされる。静脈石の21〜65%に認められる。また静脈石では中心部の透亮像(9%)を認めることがあるが、尿管結石では中心透亮像やcomet signは認めなかったと報告されている。
- 造影CTでは、腎皮質から髄質への造影剤移行が遅延するため、皮髄境界が明瞭な状態での造影効果が遷延し、腎盂への造影剤排泄も遅延する。
※その機序は、尿管結石が存在すると尿路の狭窄ー閉塞が起こり尿路の圧が上昇する
→動脈→尿細管から濾過される量が、対側と比べて相対的に減少する。
→造影不良が起こる。と考えられる。
※腎周囲脂肪の濃度上昇は、腎周囲腔のbridging septaの肥厚として描出され、lymphatic pressureの上昇や浮腫を反映しているとされる。
※腎周囲液体貯留は、腎盂腎杯の内圧上昇に伴う腎傍組織の浮腫やリンパ液の増加に伴う液体貯留、溢流した尿を反映している。
※(参考)腎周囲腔は無構造な空間ではなく、結合組織性の隔壁によって区画され、血管やリンパ管とも交通している。この隔壁をbridging septaと呼ぶ。

関連記事:尿管結石と静脈石のCT画像上でウインドウ幅/レベルを変更して鑑別する方法
症例 50歳代男性 右背部痛

右総腸骨動脈交叉部に尿管結石を認めています。
右尿管結石と診断されました。
症例 50歳代男性 右背部痛

右水腎症に加えて、腎腫大、腎周囲の脂肪織濃度上昇(毛羽立ち)を認めています。
尿管を尾側に追うと上部尿管に複数の結石を認め、それよりも上流の尿管〜腎盂の拡張を認めていることがわかります。
右尿管結石およびそれに伴う閉塞性水腎症と診断されました。
症例② 50歳代男性 右腹部痛

この症例では、腎の腫大までは認めていませんが、右の腎盂が拡張していますね。
(参考)尿路結石の検査の限界
- 尿路結石があっても尿潜血が陰性のことがある(798例中48例、6.0%。下部尿管の結石で多い)(Kim 2018)
- エコー 感度74%、特異度89%
- KUB(腹部単純X線) 感度55%、特異度79%
- 単純CT 感度96%、特異度94%
(メタ解析、Dahm 2022)
尿管結石の治療法
- 保存的治療と侵襲的治療に分けられる。
保存的治療
- 排石促進、結石溶解がある。
排石促進
- 自然排石を期待してα1遮断薬やカルシウム拮抗薬が用いられてきたが、効果には議論がある。英国の多施設RCT(SUSPEND試験、1,136例)では、タムスロシン・ニフェジピンともにプラセボと比べ4週以内の追加治療を減らさなかった(追加治療不要はプラセボ80%、タムスロシン81%、ニフェジピン80%)。自然排石率は結石の大きさで変わり、1mmで87%、2〜4mmで76%、5〜7mmで60%、7〜9mmで48%、9mm超で25%と報告されている(Coll 2002)。
結石溶解
- 尿酸結石やシスチン結石で有効で、尿をアルカリ化することにより溶解させる。
- 尿酸結石ではアロプリノール、シスチン結石ではチオプロニンを併用する。
- 尿酸結石とカルシウム結石はDual-energy CTを用いて判別することができる。
関連記事:Dual-energy CTとは?仮想単色X線画像・物質弁別画像とは?
侵襲的治療

- ESWL(extracorporeal shock wave lithotripsy):体外衝撃波結石破砕術
- TUL(transurethral lithotripsy):経尿道的結石破砕術
- PNL(Percutaneous nephrolithotripsy):経皮的結石破砕術
- ECIRS(読み方はエシルス)(Endoscopic Combined Intrarenal Surgery):経皮経尿道併用結石破砕術=TULとPNLの同時手術。
がある。
近年では、ESWLが減少し、TULが増加する傾向にある(Haas 2023)。
尿管結石の区分と部位でよくある疑問(Q&A)
Q1. U1・U2・U3の境目はどこですか?
骨盤の骨(仙腸関節)に重なる部分がU2(中部尿管)で、それより上がU1(上部尿管)、下から膀胱までがU3(下部尿管)です。
Q2. 尿管膀胱移行部とは?
尿管が膀胱の壁を斜めに貫いて膀胱の中に開くまでの部分です。生理的狭窄部の一つですが、ここまで下りてきた結石は自然に出る割合が高い(79%)と報告されています(Coll 2002)。
参考:
実際の画像で確かめるには、画像診断cafeの腹部CTの正常解剖ツールで、スライスを動かしながら構造をタップすると名前が表示されます(無料・登録不要)。全体の見方は腹部CTの解剖にまとめています。
参考文献
- Heneghan JP, Dalrymple NC, Verga M, et al. Soft-tissue “rim” sign in the diagnosis of ureteral calculi with use of unenhanced helical CT. Radiology. 1997;202(3):709-711. PubMed
- Bell TV, Fenlon HM, Davison BD, et al. Unenhanced helical CT criteria to differentiate distal ureteral calculi from pelvic phleboliths. Radiology. 1998;207(2):363-367. PubMed
- Preminger GM, Tiselius HG, Assimos DG, et al. 2007 Guideline for the management of ureteral calculi. Eur Urol. 2007;52(6):1610-1631. PubMed
- Niemann T, Kollmann T, Bongartz G. Diagnostic performance of low-dose CT for the detection of urolithiasis: a meta-analysis. AJR Am J Roentgenol. 2008;191(2):396-401. PubMed
- Pickard R, Starr K, MacLennan G, et al. Medical expulsive therapy in adults with ureteric colic: a multicentre, randomised, placebo-controlled trial. Lancet. 2015;386(9991):341-349. PubMed
- El-Barky E, Ali Y, Sahsah M, et al. Site of impaction of ureteric calculi requiring surgical intervention. Urolithiasis. 2014;42(1):67-73. PubMed
- Coll DM, Varanelli MJ, Smith RC. Relationship of spontaneous passage of ureteral calculi to stone size and location as revealed by unenhanced helical CT. AJR Am J Roentgenol. 2002;178(1):101-3. PubMed
- Dahm P, Koziarz A, Gerardo CJ, et al. A systematic review and meta-analysis of clinical signs, symptoms, and imaging findings in patients with suspected renal colic. J Am Coll Emerg Physicians Open. 2022;3(6):e12831. PubMed
- Smith RC, Verga M, McCarthy S, et al. Diagnosis of acute flank pain: value of unenhanced helical CT. AJR Am J Roentgenol. 1996;166(1):97-101. PubMed
- Smith RC, Verga M, Dalrymple N, et al. Acute ureteral obstruction: value of secondary signs of helical unenhanced CT. AJR Am J Roentgenol. 1996;167(5):1109-13. PubMed
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- Zhang D, Li S, Zhang Z, et al. Urinary stone composition analysis and clinical characterization of 1520 patients in central China. Sci Rep. 2021;11(1):6467. PubMed
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- Haas CR, Li S, Knoedler MA, et al. Ureteroscopy and Shock Wave Lithotripsy Trends from 2012 to 2019 Within the US Medicare Dataset: Sharp Growth in Ureteroscopy Utilization. J Endourol. 2023;37(2):219-224. PubMed
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