指導医
今回は尿路結石の一般的事項と、画像診断について勉強しましょう。

尿路結石

  • 尿路(腎、尿管、膀胱、尿道)にできた結石。
  • 腎結石は存在部位により腎盂結石、腎杯結石、腎実質結石と呼ばれる。
  • 20-50歳代に多く、2-4:1で男性に多い。
  • 尿管結石は腎結石が尿管内に下降したもの
  • 尿管の生理的狭窄部である腎盂尿管移行部、総腸骨動脈交差部、尿管膀胱移行部の3カ所で嵌頓しやすい。
  • 腎結石ではほとんど痛みがないかあっても軽度であるが、尿管の生理的狭窄部位などで嵌頓すると、腎疝痛と呼ばれる激烈な側腹部痛、背部痛を生じ、時に嘔吐を伴う。血尿はほとんどの症例で見られる。
研修医
実際、朝方に物凄く痛みを訴えて来られる男性が多いですね。
指導医
ですね。激烈な側腹部痛、背部痛という表現がまさに当てはまりますね。
  • 単腎患者または両側性に結石嵌頓を生じた場合は無尿となり、腎後性腎不全を生じることがある。
  • 欧米では尿路結石に対する画像診断は、単純ヘリカルCTが最優先で施行されている。
  • 尿路結石検出における単純CTの感度、特異度、正診率はいずれも95%以上と報告されている。

尿路結石のCT所見

  • 結石の10%を占めるX線陰性結石(尿酸結石、キサンチン結石、シスチン結石)もCTでは300HU以上のCT値を呈することから高吸収を呈する。CTの感度95-100%、特異度95%。
  • レントゲンでわかる尿管結石は6割にすぎない。しかしCTならほぼ100%わかる
  • 尿管結石の75%はリン酸カルシウム、シュウ酸カルシウムあるいは両方から構成されている。
  • 静脈石や動脈の石灰化との鑑別が問題になる。この場合には、尿路閉塞の二次所見が役立つ。
  • 閉塞性尿管結石では
  1. 腎杯、腎盂、尿管の拡張
  2. 浮腫による腎周囲脂肪の濃度上昇(perinephric stranding)、液体貯留(perinephric fluid collection)
  3. 腎腫大

が90ー95%で認められる。

  • 尿路閉塞の二次所見以外で、尿管結石と静脈石の鑑別に役立つ所見として、soft tissue rim sign,comet signがある。

Soft tissue rim sign

  • soft tissue rim signは結石周囲にリング状の軟部組織濃度が認められる所見で、限局性尿管浮腫を反映している。尿管結石の50〜77%に認められる。
  • comet signは静脈石と連続する索状の軟部組織陰影で、静脈の非石灰化部に相当するとされる。静脈石の21〜65%に認められる。
指導医
cometとは彗星のことですね。
  • 造影CTでは、腎皮質から髄質への造影剤移行が遅延するため、皮髄境界が明瞭な状態での造影効果が遷延し、腎盂への造影剤排泄も遅延する。
    ※その機序は、尿管結石が存在すると尿路の狭窄ー閉塞が起こり尿路の圧が上昇する
    →動脈→尿細管から濾過される量が、対側と比べて相対的に減少する。
    →造影不良が起こる。と考えられる。

※腎周囲脂肪の濃度上昇は、腎周囲腔のbridging septaの肥厚として描出され、lymphatic pressureの上昇や浮腫を反映しているとされる。

※腎周囲液大貯留は、腎盂腎杯の内圧上昇に伴う腎傍組織の浮腫やリンパ液の増加に伴う液体貯留、溢流した尿を反映している。

※(参考)腎周囲腔は無構造な空間ではなく、結合組織性の隔壁によって区画され、血管やリンパ管とも交通している。この隔壁をbridging septaと呼ぶ。

bridging septa

研修医
確かに、腎臓の周囲に線状影が見えることがよくありますが、その正体はbridging septaだったんですね。
指導医
その通りです。それでは実際のCT画像を見ていきましょう。
症例① 50歳代男性 右背部痛

renal stone

研修医
この症例では右の腎の腫大や水腎症を認めていますね。
症例② 50歳代男性 右腹部痛

renal stone2

研修医
この症例では、腎の腫大までは認めていませんが、右の腎盂が拡張していますね。
指導医
その通りです。

 

(参考)尿路結石の検査の限界
  • 尿路結石があっても10~30%で尿潜血陰性
    ※尿潜血は感度75%、特異度35%、 陽性的中率72%、陰性的中率65%
  • エコー 感度90%、特異度95%
  • KUB 感度50%、特異度75%
  • CT 感度95-100%、特異度95%

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