Dual-energy CTとは
- 管電圧の異なる2種類のX線(80kVと140kV)でCTを撮影する技術。
- 仮想単色X線画像や、物質弁別画像(material decomposition image)/物質密度画像(material density image)などを得ることができる。
仮想単色X線画像(virtual monochromatic image)
- ビームハードニングアーチファクトの軽減
- コントラスト向上による造影剤量低減
が可能。
関連:嚢胞の偽造影効果(pseudoenhancement)とは?嚢胞なのに造影で染まる?
物質弁別画像(material decomposition image)/物質密度画像(material density image)
- 造影CTから仮想単純CTを撮影できる(造影剤画像から造影剤を引いた画像を作成できる)
- 造影剤成分のみを抽出したりできる。
- 水、ヨード、脂肪、カルシウム、などが弁別可能。
2-material decomposition 法
- 造影剤と石灰化や、石灰化結石と尿酸結石の分離が可能。
応用例:尿管結石が尿酸結石なのか石灰化結石なのかの判別。
症例 50歳代男性
右腎盂および左腎に結石を認めていますが、2-material decompositionにおいて右は赤色、左は青色を示しています。
右は尿酸結石、左は非尿酸結石(石灰化結石)と診断することができます。
3-material decomposition 法
- 造影剤情報の抑制・除去(VNC:Virtual non-contrast)が可能。
- 造影剤情報のみの描出(ヨードマップ)が可能。
応用例:
①造影剤画像から造影剤を抜いた画像の作成
②肺野の造影CTは肺実質の造影剤濃度が肺胞内の空気のため平均化されて、CT値として反映されない。そこで、空気、肺実質、造影剤を分別し、肺野の造影剤分布をヨードマップとして可視化できる。これを肺灌流血液量として画像的に評価する方法がlung PBV (perfused blood volume)。
参考: