脳梁(corpus callosum)は左右大脳半球を連絡する最大の交連線維束(commissural fiber bundle)である。

矢状断像での脳梁(corpus callosum)の解剖

  • 矢状断は脳梁の輪郭が最も追いやすい。
  • まず正中矢状断でC字の白質構造として脳梁を捉え、前方から後方へ順に区分する。

  • 吻部(rostrum):膝部から前下方へ折れて薄く延びる部分
  • 膝部(genu):前方で丸く強くカーブする膝に相当する。矢状断では最も形が分かりやすく、脳梁(corpus callosum)同定の起点として使える。
  • 体部(body):脳梁の主幹であり、長く弧を描いて後方へ続く。矢状断では厚みが比較的一様で、上下の輪郭が滑らかであることが正常の目安。
  • 膨大部(splenium):後端で厚みが増す部分。
  • ※前交連(anterior commissure)・後交連(posterior commissure)をランドマークにする。前交連と後交連は正中矢状断で確認しやすく、正中スライスの妥当性チェックに使える。脳梁の評価は「正中が取れているか」で精度が大きく変わるため、前交連・後交連が明瞭に見えるスライスを基本とする。

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横断像での脳梁(corpus callosum)の解剖

横断像では、脳梁は「左右側脳室(lateral ventricle)の上(roof)」に位置する白質として把握すると迷いにくい。

  • 膝部(genu):側脳室前角の前方〜上方で、正中をまたぐ白質として見える。横断像では短い弧状・三日月状に見えやすい。
  • 体部(body):側脳室体部の天井を作る正中の構造として見える。
  • 膨大部(splenium):後方で厚みが増すため、横断像でも比較的認識しやすい。側脳室三角部〜後角付近の上方で、正中をまたぐ厚めの白質として同定する。

参考文献:

  • Goldstein A, et al. Neuroanatomy, Corpus Callosum. StatPearls 
  • Shenoy SS, et al. Neuroanatomy, Ventricular System. StatPearls
  • Chauhan P, et al. The Anatomy of the Cerebral Cortex. 
  • Radiopaedia. Corpus callosum (Radiology Reference Article).
  • Choi SH, et al. Anterior Commissure – Posterior Commissure Revisited. (PMC).

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