僧帽筋（そうぼうきん：trapezius）は、背中の上部に広がる大きな筋肉で、肩甲骨の動きや姿勢の維持に関与します。

背中全体にわたる筋肉は、大きく分けて表層、中層、深層の筋肉が存在しますが、僧帽筋はこのうち広背筋とともに表層に位置します。

僧帽筋のCT、MRI画像の解剖

胸部のCTやMRI画像を読む上で僧帽筋がどの場所にあるのか解剖をチェックしましょう。

解剖がよく理解できるように胸部（縦隔条件）の実際のCT画像の僧帽筋に色を付けてみました。

 

CTの横断像では以下の場所に僧帽筋があります。

僧帽筋は、CTの横断像で背中の上部から中部にかけて確認でき、左右対称に広がる筋肉として描出されます。

自分でCT画像をスクロールしてコロコロ連続画像で見たい方はこちら→僧帽筋(trapezius)のCT画像の解剖

僧帽筋の起始

僧帽筋は、頭部から背中の上部まで広範囲にわたる以下の部位から起始します：

  • 外後頭隆起：後頭骨の中央にある隆起。
  • 項靭帯：後頭部から第7頸椎にかけて伸びる靭帯。
  • 第7頸椎～第12胸椎の棘突起：背骨の上部にある骨の突起部分。

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僧帽筋の停止

僧帽筋の線維は、肩甲骨と鎖骨に停止します：

  • 鎖骨外側1/3：鎖骨の外側端に付着。
  • 肩甲棘：肩甲骨の後面にある突起部分。
  • 肩甲骨の肩峰：肩甲骨の上部にある平らな部分。

僧帽筋の主な役割

僧帽筋は上部、中部、下部に分かれ、それぞれ異なる役割を担います：

  • 上部線維：肩甲骨の挙上（肩をすくめる動作）や回旋を行います。
  • 中部線維：肩甲骨の内転（肩甲骨を背骨に引き寄せる動作）を行います。
  • 下部線維：肩甲骨の下制（肩を下げる動作）や回旋を行います。
  • また、頭部の後屈や側屈、回旋にも関与します。

僧帽筋は、後頭部から背中上部まで広がる大きな筋肉で、肩甲骨を動かし、姿勢を維持する重要な役割を果たします。外後頭隆起や項靭帯、胸椎の棘突起から起始し、肩甲骨や鎖骨に停止する広範囲な筋肉です。肩甲骨の挙上・内転・下制などの複雑な動作に関与し、日常動作からスポーツまで広く関わる筋肉です。

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