半椎体(hemivertebra)
- 椎体は左右の軟骨化中心から形成されるが、椎体の左右の軟骨化中心が片側しか発生しないと、半椎体(hemivertebra、中でもlateral hemivertebra)となる。
- 本来形成されるべき椎体の不全型。
- 椎体の左右片側が欠損する。
- 不完全な形成不全では、楔状椎体(wedge vertebra)と呼ばれる。
- scoliosis(側彎症)が必発である。
- 一方で、一次化骨化前部の骨化障害では後部半椎体(posterior hemivertebra、dorsal hemivertebra)を、後部の骨化障害では前部半椎体(anterior hemivertebra、ventral hemivertebra)となる。
- 肋骨の形成異常を伴う。
- 好発部位は胸椎。下位胸椎に生じる方が側弯の進行が早い。
- なお椎体の左右の軟骨化中心が正中で癒合不全を来すと蝶形椎体(butterfly vertebra)となる。
症例 20歳代女性
引用:radiopedia
L3は右側にのみ楔状の椎体を認めず、半椎体(hemivertebra)、中でもlateral hemivertebraを疑う所見。
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参考文献:
- 骨軟部疾患の画像診断 第2版 P303
- 画像診断 Vol.37 No.10 2107 P1017
- 画像診断 Vol.39 No.14 2019 P1535-6
- 画像診断に絶対強くなるツボをおさえる!P142-4