傍骨端線部限局性骨髄浮腫(focal periphyseal edema:FOPE)
- MRIのみで認められる正常変異。多くの正常変異は単純X線写真で認められる。
- 文字通り、骨端線のすぐ隣(periphyseal)に認められる限局性(focal)の骨髄浮腫(edema)。
- 大腿骨遠位の骨端線の閉鎖は思春期、特に15歳前後くらいで中心部(大腿骨の正中部)からはじまる。中心部のみが閉鎖した状態だと、荷重負荷が非閉鎖部と比較して強靱な閉鎖部によりかかるため、同部に骨髄浮腫を認めることがある。
- レントゲンでは正常板を挟んで、骨幹端、骨端に淡い斑状硬化像を正中部から認める。
- MRIでは脂肪抑制T2強調画像やSTIRで帯状の高信号として認め、造影すると造影効果も見られる。
- 骨髄炎(中でも急性化膿性骨髄炎)との鑑別点としては、年齢の違い(骨髄炎は思春期前に多い、FOPEは思春期)、発熱や炎症反応を骨髄炎では認める点。
症例 15歳男児 進行する膝痛
引用:radiopedia
大腿骨遠位骨端線の中心部を中心に両側に広がる帯状のT1WI低信号、STIR高信号域を認めています。
傍骨端線部限局性骨髄浮腫(focal periphyseal edema:FOPE)を疑う所見です。
参考文献:
- 画像診断 Vol.40 No.6 2020 P614-5
- 画像診断に絶対強くなるツボをおさえる!P118-20