大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIFFH:Subchondral insufficiency fracture of the femoral head)
- 高齢女性に好発する脆弱性骨折(SIF)。疲労骨折の一つ。大腿骨頭壊死の所見を伴わない軟骨下骨折。骨折なので骨壊死とは病理像が全く異なる。
- ただし平均年齢は53±17歳と若年者にも発症しうる(J Hip Preserv Surg.2019.28;7(1):85-94.)
- 大腿骨頭以外では膝関節に好発する。
- 骨粗鬆症の他、関節軟骨の菲薄化・臼蓋形成不全などによる軟骨下骨への慢性的な負荷も原因とされる。
- 大腿骨頭壊死で二次性に発生する軟骨下骨折(壊死骨内の骨折であり修復は望めない)と異なり、保存的加療で治癒することがある。一方で、短期で骨頭圧壊が進行する予後不良なケースもある。
- このような予後を規定する一つの目安に骨折線の長さと荷重部に対する骨折線の割合がある(当然大きいほど予後不良で関節圧壊のリスクは高まる。)。
- 突然の激烈な痛みで発症する。
- 数ヶ月で関節破壊が起こり変形性股関節症に移行する。

大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折の画像所見
- 早期は単純X線での指摘困難。進行すると単純X線でも軟骨下骨の骨透亮像や圧壊、二次的な変形性変化が明瞭化する。
- MRIは早期から有用。
- MRIでは軟骨下の関節面に平行(中枢側に凸)な線状低信号(骨折線&それに関連した修復組織を反応)で途中で途切れていることがある(大腿骨頭壊死では末梢に凸の形態で線状低信号は途切れない)。また軟骨下骨を含んだ広範な骨髄浮腫(大腿骨頭壊死では壊死部には骨髄浮腫を認めない。)
- 線状低信号は関節面に平行な上に凸なものばかりでなく、大腿骨頭壊死と同様に下に凸なケースもある。
- 骨折線の分布は大腿骨頭の前〜真ん中が2/3を占め、後部は少ない。
- 骨髄浮腫が強いものほど治癒率が高いと報告されており、その理由としてより新鮮な骨折であり保存的治療に反応しやすいからと考えられる。
- 造影MRIでは線状低信号よりも中枢部には造影効果を認める。一方で大腿骨頭壊死の場合は認めない。
症例 30歳代女性 3週間に及ぶ左腰痛(外傷なし)

引用:radiopedia
T1WIで軟骨下脆弱性骨折を示唆する、関節面に平行な低信号を認める(この点が一過性大腿骨頭萎縮症とは異なる)。
STIRでは同部を含む広範な骨髄浮腫がある。(この点が大腿骨頭壊死とは異なる。大腿骨頭壊死では壊死部には浮腫は通常認めに亜溜め。)
大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIFFH/SIF)を疑う所見です。
※大腿骨頭壊死でも骨折を伴うことがあるが、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折(SIFFH/SIF)では大腿骨頭壊死を背景としない点でも異なる。
ポイント:大腿骨頭壊死は骨壊死、大腿骨頭軟骨下脆弱性骨折は骨折。画像は似ていても病理像は全く異なる。
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