奇静脈弁(Azygos arch valve)への造影剤の残留
- 造影CTにおいて平衡相や遅延相で奇静脈弓(Arch of azygos vein)に高吸収が目立って残っているのは石灰化などではなく、奇静脈弁(Azygos arch valve)に造影剤が残留するため。
- 奇静脈弓には二尖弁があり、この部分に造影剤が残る。
- 造影CTの早期相では上大静脈から奇静脈弓に造影剤が逆流することがある。
- 肺動脈相での逆流は右注入で多いが、遅い相だと左右の影響は少ない。
症例60歳代男性 スクリーニング
奇静脈弓に高吸収が目立つ部位があるが、石灰化などではなく、奇静脈弁に残った造影剤である。
参考文献:Visualization of Azygos Arch Valves using Computed Tomography