小児の橈骨遠位端骨折
- 橈骨遠位端骨折は高齢者の脆弱性骨折の代表的疾患であるが、小児にも多い。
- 小児骨折の23-36%を占め、上腕骨顆上骨折とともに頻度の高い骨折。
- 上腕骨顆上骨折は幼稚園年長〜小学校低学年に多く、橈骨遠位端骨折は小学校高学年から中学生くらいに多い。
- 年齢とともに上腕骨顆上部が強くなり、その代わり橈骨遠位端が損傷を受けやすくなるため。
- 高齢者と異なり、小児では若木骨折のような微妙骨折が多い。背側は骨折線が見えず、掌側のみで確認できることがある。
- 骨端線骨折になりやすい骨折で、Salter-Harris分類のTypeⅠ/Ⅱが多い。
若木骨折とは
- 成人は骨が硬化しているため、骨折線は前後に貫通するように起こる。
- 小児の骨は柔らかいため、片側に亀裂を認めるが、反対側は軽度の屈曲変形に留まることがあり、これを若木骨折(green stick fracture)という。
成人の橈骨遠位端骨折はこちら:橈骨遠位端骨折のレントゲン、CT画像所見
参考文献
- 骨折ハンターP172-176,141